東芝、メキシコの液晶テレビ生産拠点を台湾コンパル社に売却

2011年7月13日 19:54

 東芝は13日、北米やメキシコ市場向けの液晶テレビ生産拠点である東芝エレクトロメックス社(Toshiba Electromex, S.A. de C.V. 以下、TMX社)を、台湾のコンパル社(Compal Electronics, Inc.)に売却することを決定したと発表した。2011年9月を目処に譲渡を完了する予定。グローバルで競争が激化している液晶テレビ市場環境に対応するため、生産および調達体制を最適化させる取り組みの一環。

 TMX社は、1986年11月にメキシコ・チファファ州に設立され、現在は中大型の液晶テレビの製造を担っている。

 今後は、新たにコンパル社傘下となるTMX社への生産委託と、従来からの同社技術開発力の組み合わせを通じて、高品質でコスト競争力のある製品の供給に務める。なお、TMX社の全従業員の雇用は継続され、コンパル社への売却後も引き続きTMX社で培われた技術や経験が活用される予定。

 コンパル社は、従来から北米を中心としたODM製品生産における同社のパートナー。今後も、コンパル社のコスト力のある生産ノウハウと、同社の差異化製品開発力の組み合わせによるシナジー効果により、北米やメキシコ市場における事業規模拡大、市場におけるプレゼンス及び競争力の向上を目指す。

 また同社は、エジプトで、現地のパートナーである「エル・アラビー社(El Araby)」と合弁の工場で6月から現地生産を開始するなど、伸長する新興国のテレビ市場に対応するため、市場動向変化に迅速に対応できる最適な供給体制の構築を進めている。

 「今後も、グローバル市場での積極的な事業拡大を目指し、地域市場のニーズに基づく液晶テレビを地域内で生産することにより、商品力とコスト競争力の強化を図っていく」と同社はコメントしている。

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