ピッチの速さ警戒しながらのサマーラリーの展開へ=犬丸正寛の相場展望

2011年7月8日 17:41

★当面、「悪材料の在庫整理」一掃セール

  来週(11~15日)の相場は、『ピッチの速さを横目でみながらのサマーラリー』の展開だろう。まもなく夏本番。世界のファンド運用者はバカンス前のひと稼ぎということで一致しているのではないか。

  とくに、6月中に多くの懸念材料を店先に並べ、「悪材料の在庫整理」をやったことから、当面、今以上の悪い材料は考えなくてよいという取り組みやすさがある。

★超短期に徹する相場

  ただ、NYダウ、日経平均とも上げピッチは速くなっている。なかでも、日経平均の「30日線乖離」が危険水域の5%に達している。もちろん、プロの短期運用者は十分に承知のことだろう。むしろ、こういう危ないときこそ、熟れて落ちる前の柿がおいしいごとく、儲けるチャンスでもあるわけだ。

  しかし、個人投資家にとっては、運用者のように他人のカネではない。もし、急落に見舞われると直ちに自らのサイフに響いてくる。サマーラリーに参加するにしても、売買高は控えめにしておきたい。

  国内で気になるのは、やはり政局である。原発再開問題が揺れ動いている。総理の発言は何が狙いなのか。原発再開に対し、賛成・反対と揺さぶりをかけることで、狙いとする自然再生エネルギーへの賛同を得ようとされているのだろうか。組合がストを打つのと、どこか似ている気がする。

  しかし、国民の多くは、総理に対し不気味さを感じたのではないだろうか。日本をどうしようとするのだろうかと。党内幹部から「1秒でも早く辞めてほしい」と公然と語られるようでは今の政権は限界だろう。現総理をペテン師と名指しした前総理はどう動かれるのか。政治が落ち着かないと、サマーラリーが終わった後の本物の日本買いにはなり得ない。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

【関連記事・情報】
相場は下がるときは1株でも下がる=犬丸正寛の相場格言(2011/04/16)
相場に情を求めるな(情け無用の厳しい世界)=犬丸正寛の相場格言(2011/04/16)
株式表隣家・浅妻昭治のマーケットセンサー(銘柄発掘の王道を伝授・注目株厳選)メルマガがスタート!登録受付中(2011/06/22)
プロの記者が急騰銘柄を徹底予想!日刊株式投資情報新聞(無料)メルマガ登録受付中!(2011/06/08)

関連記事

最新記事