三菱自、実質188万円の廉価モデルEV「アイミーブ」を今月25日に販売
2011年7月6日 23:28
三菱自動車は6日、新世代電気自動車(EV)「i-MiEV(アイ・ミーブ)」に、経済産業省の補助金制度が適用された場合に実質的な負担額が188万円となる購入しやすい価格設定にしたエントリーグレード「M」と、一充電走行距離の拡大や、タイマー充電・プレ空調機能をもつ「MiEVリモートシステム」の設定など機能・装備を充実させた上級グレード「G」の2グレードを設定し、「M」は7月25日、「G」は8月中旬(予定)から全国の系列販売会社で発売すると発表した。
今回の「i-MiEV」の主な改良点は、過去2年間の販売実績から得られた、航続距離の拡大や更なる低価格化など、顧客らの声に基づき、2種類のグレードを設定して選択できるようにしたところ。また、ブレーキペダル連動回生ブレーキによる一充電走行距離の拡大や、アクティブスタビリティコントロール(ASC)の標準装備など基本性能を強化。さらに、夜間など比較的電力に余裕のある時間帯での充電に便利な「MiEVリモートシステム」をメーカーオプションで設定するなど、商品内容を大幅に充実させた。
新たに設定した「M」は、一般的な軽乗用車ユーザーなど幅広い顧客を想定したエントリーグレードとして、機能・装備を厳選するとともに、総電力量10.5kWhの駆動用バッテリーの採用等により、従来よりも大幅に購入しやすい価格を実現した。毎日の買い物や送迎など、軽乗用車の日常的な使用としては充分な性能(JC08モードでの一充電走行距離:120km)を確保した。
一方、従来の「i-MiEV」の仕様に基づく「G」は、環境問題や先進技術に関心の高いユーザーを想定し、EVの先進性を象徴する上級グレードとして、LEDヘッドライト/リヤコンビランプや15インチアルミホイール、本革巻ステアリングホイール/シフトノブなどの上級装備に加えて、カーナビゲーションやシートヒーター(運転席、助手席)を新たに標準装備して商品内容を大幅に充実させつつ、価格を従来よりも抑えた。経済産業省の補助金制度が適用された場合、実質的な負担額は284万円となる。
従来と同じ16.0kWhの駆動用バッテリーを採用しながら、一充電走行距離の約2割拡大(JC08モードでの一充電走行距離:180km)を実現し、サービスエリア等への充電インフラの普及拡大に伴うドライブ等のニーズにも対応した。また、「G」専用のメーカーオプション(10月以降生産車に装着可能)として、さらなるプレミアム感を演出する「プレミアムインテリアパッケージ」、「タイマー充電」や「プレ空調」機能を備えた「MiEVリモートシステム」を設定した。
一方、太陽光発電・風力発電等の再生可能エネルギー導入の推進、将来の「スマートグリッド」実現に加え、大規模災害等の非常時の電源供給を目的として、EVの大容量バッテリーの蓄電能力が注目されている。従来の“環境問題への対応”に加えて“エネルギー需給逼迫への対応”という観点からのEVへの期待の高まりを受け、三菱自動車では、関連技術の研究・開発を進めている。
今回、室内のアクセサリーソケットからAC100V電源を供給する「ACパワーサプライEZ」(100Wまでの家電製品に使用可能)を「i-MiEV」のディーラーオプションとして設定。2011年度中には、さらに幅広い家電製品に使用できるよう、計1500Wまでの電源供給装置の商品化を目指している。
同社は、環境汚染、地球温暖化、石油エネルギーの枯渇など、自動車が直面する課題に対応する究極の環境対応車として、2009年7月、世界に先駆けて「i-MiEV」の販売を開始した。電気自動車(EV)の普及を進めるため、国内では2010年4月に個人向け販売を開始、これに伴い価格も当初の459万9,000円から398万円へ引き下げ、累計で約4,000台を販売している。輸出やPSAプジョー・シトロエン社向けを含めると合計1万台以上を出荷している。