【銘柄診断】ゼンショーは2Q業績の増・減額修正が綱引きし続落
2011年7月4日 16:36
ゼンショー <7550> は4日、21円安の988円と続落した。前週末1日大引け後に今3月期第2四半期(2Q)累計業績の修正を発表、売り上げ、経常利益は上方修正、純利益は下方修正とマチマチとなり、売り方の買い戻しが先行したものの、上値が重いとして利益確定売りが優勢となった。
2Q業績は、期初予想より売り上げを10億500万円、経常利益を10億2400万円引き上げたが、逆に純利益を8億9000万円引き下げ、28億3700万円(前期比39%増)と増益転換率を縮小する。
牛丼チェーンの「すき家」の既存店売り上げが順調に推移して売り上げ、経常利益は上ぶれるが、純利益は、関連会社のカッパ・クリエイト <7421> の自己株式立会外買付取引に応じて同社株を売却し、売却益に税務上のメリット規定のあるみなし配当課税に該当するとして処理したが、東京国税局の定例の税務調査で同規定に該当せず、過少申告として約20億円の更正税額を通知されたことから下方修正した。同社は、同更正処分について東京国税不服審判所に審査請求をした。
3月通期業績は期初予想に変更はなく、純利益は83億7300万円(前期比76%増)と5期ぶりの過去最高更新を見込んでいる。
株価は、東日本大震災発生で年初来安値650円まで売られたが、牛丼チェーン業界の値下げ競争で「勝ち組」評価されているほか、国内証券の新規強気株価格付けなどで1000円台を回復、高値追いとなった。売り方の買い戻しも加わりPER14倍台の割安水準で方向感を探る展開が続こう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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