世界最強のチェスプログラム「Rybka」盗用発覚で優勝剥奪

2011年7月2日 17:00

  greentea 曰く、

 世界コンピューターチェス選手権(WCCC)で4年連続優勝していたチェスプログラム「Rybka」が他のチェスプログラムを盗用していたことが判明し、過去の入賞および優勝が取り消され、作者のVasik Rajlich氏が選手権から終生追放されたとのこと(Chess vibesの記事Extreme Techの記事本家/.)。

盗用されていたのはオープンソースのチェスプログラム「Fruit」と「Crafty」の2本。Fruitは2005年のWCCCで2位になっており、その翌年に初出場したRybkaはFruitに動きが似ていることを指摘されていた。ICGA(国際コンピューターゲーム協会)が集めた過去のWCCC出場者34名による調査委員会は、RybkaがFruitを元にしていることで一致したとのこと。また、Rybkaの初期のバージョンがCraftyを元にしていることも判明した。

WCCCのルールでは、出場するプログラムにオリジナルでないコードが含まれる場合は作者名やソースを明示する必要があるとしているが、Rajlich氏はRybkaをすべてオリジナルであると申告していた。また、動作がほとんど同じなど、他のプログラムの派生版であることが判明した場合は失格になるとも記載されている。Rybkaの失格に伴ってICGAは2007~2010年の新たな優勝者を発表し、Rajlich氏に対して優勝トロフィーのレプリカおよび賞金の返還を要求している。

 スラッシュドットのコメントを読む | ソフトウェア | オープンソース | 著作権 | ゲーム | 海賊行為

 関連ストーリー:
第21回世界コンピュータ将棋選手権、ボンクラーズが優勝 2011年05月09日
コンピュータと女流王将の対局、コンピュータが勝利 2010年10月12日
第19回世界コンピュータ将棋選手権で GPS 将棋が優勝 2009年05月06日
第19回世界コンピュータ将棋選手権、5月3日より開催 2009年04月17日
最強ランクの将棋ソフト「Bonanza」、ソースコードを公開 2009年02月20日
人間対コンピューターのチェス対決から「知識」の本質に迫る 2002年10月24日
まだやります人間対コンピューターのチェス対決 2002年08月09日

 

関連記事

最新記事