リコー、HOYAの「ペンタックス」事業を買収 デジカメ事業を強化

2011年7月1日 17:48

 リコーは1日、HOYAの「PENTAX(ペンタックス)」イメージング・システム事業の買収について、同日合意に至り、契約を締結したと発表した。買収により、リコーはデジタルカメラ等製品の一部において、HOYAは内視鏡等において、ともに「PENTAXブランド」を使用することになる。「買収を機に、両社は互いにPENTAXブランドの価値を高めることについて協力を進める」と同社はコメントしている。

 買収は、今年10月1日付け(予定)で、HOYAが新設する子会社(以下「新設会社」)に、PENTAXイメージング・システム事業を吸収分割および事業譲渡により承継させ、リコーがその新設会社の発行済株式100%を取得する方法で行う。経営権移転後も、リコーは完全子会社としての事業運営を行う予定。 
 
 買収対象となるHOYAの「PENTAXイメージング・システム事業」は、デジタルカメラ、交換レンズ、デジタルカメラアクセサリー、セキュリティカメラ関連製品および双眼鏡など、光機製品の開発・製造・販売事業のことで、HOYAが2008年3月に吸収合併したペンタックスから引継ぎ、これまで展開してきたもの。

 今回、経営資源の選択・集中に取り組む一環として、リコーへの同事業の譲渡を決定した。なお、PENTAXイメージング・システム事業以外のデジタルカメラモジュール、DVD用ピックアップレンズ、内視鏡、人工骨、音声合成ソフトウェアの各事業は、HOYAが引き続き展開する。

 一方、リコーは、同事業の買収により、長年の課題であったコンシューマ事業を確立し、カメラ事業の拡大を目指す。ペンタックス事業が育んできた、小型軽量のレンズ交換式カメラ技術やレンズ技術、また販売チャネルなどを取り入れ、デジタルカメラ事業を強化する。

 具体的には、「今後成長が期待されるレンズ交換式カメラでの事業強化」、「商品ラインアップや交換レンズ群の拡充」のほか、「写真を見る、保管・加工する、コミュニケーションツールとして活用するといった付加価値サービス事業の創出、拡大」を図る。また、「中判デジタルカメラなどを用いた、イメージ・アーカイビング事業への参入を検討」するほか、「セキュリティ関連商品の拡大」を行う計画。

 リコーの現在の基盤事業は、複写機・複合機等を中心とした画像ソリューション。同社は今回の買収の意義について、「今後のビジネス環境は、オフィスとホームの垣根が取り払われ、さまざまな商品サービスが大きく変化していくと考えている。グローバル市場をにらんで、デジタルカメラのみならず、ビデオ会議システム、ネットワークアプライアンス端末など、よりコンシューマにフォーカスした商品サービスをお客様に提供したいと考えている。本件買収はその第一歩である」とコメントしている。

関連記事

最新記事