長寿国である日本のレスベラトロールの注目度

2011年7月1日 11:00

 今、サーチュイン遺伝子が注目を集めている。この遺伝子は地球上に生息する生物、例えば昆虫から哺乳類にまで組み込まれており、老化や寿命を制御する働きがあると言われている。しかし、通常はその機能は発揮されていない。サーチュイン遺伝子が活性化することではじめて、活性酸素を抑えたり、遺伝子や細胞を保護したりと、細胞の寿命を延ばす作用が働く。活性化する方法の一説として、カロリー制限を続けること、またレスベラトロールを摂取することが有効だといわれている。

 レスベラトロールは、ブドウの果皮や落花生の種皮に含まれるポリフェノールの一種。2006年には世界的に有名な科学雑誌である「Nature(ネイチャー)」で長寿作用が報告されたことから、近年急速に脚光を浴びるようになった。また、「フランス人の食生活はチーズや肉料理のような高脂肪な食生活が多いが、動脈硬化などの死亡率が他国と比べて低い」という現象「フレンチパラドックス」の鍵を握るのではないかという説もある。6月に放送されたNHKスペシャルでもサーチュイン遺伝子の活性化とレスベラトロールとの関連性が紹介されるなど、注目度はますます高まっている。

 一般的に市場に出回っているレスベラトロールは、ブドウ種子より抽出されたものが多く、ポーラのレスベラトロールを配合した緑茶である『恵美茶 極(めぐみちゃ きわみ)』、既に販売は終了しているが資生堂が発売してきたサプリメント『インスプラウト』など、各社様々な商品を開発してきた。

 そして今回、日本で初めてメリンジョ由来のレスベラトロールを主要成分とする商品が登場した。それが「山田養蜂場のレスベラトロール」である。メリンジョとは、インドネシア原産の植物で、現地ではその実や種子が一般的な野菜として日常的に食されている。また、種子は、レスベラトロールだけでなく、レスベラトロールが2つ結合したレスベラトロール二量体を多く含んでいる。このメリンジョ内のレスベラトロールやレスベラトロール二量体は、摂取すると、持続的に血中に存在することが自社研究にて判明しており、「持続型のレスベラトロール」であると考えられる。つまり、メリンジョ由来のレスベラトロール類の摂取は、レスベラトロールの単独摂取に比べ体内で長く作用する可能性が見出された。

 サプリメント大国とも言われ、個々の健康意識が高いアメリカなどの先進国では、既に長寿や若返りのサプリメントとして、レスベラトロールを摂取することが日常化されている。長寿国といわれている日本だが、健康的な長寿を目指すためにも、今後レスベラトロールの認知度の高まりに注目したい。

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