マイクロソフト、企業向けクラウド「Office 365」を提供開始 月額600円
2011年6月30日 17:21
日本マイクロソフトは29日、企業向けの新世代クラウドサービス「Microsoft Office 365」の提供を同日から開始すると発表した。
「Office 365」は、電子メール、予定表、ファイル共有、ポータル、インスタントメッセージ、オンライン会議などの機能を、「Microsoft Office アプリケーション」と統合して提供する、企業・組織向けの新世代クラウドサービス。管理機能を簡略化した小規模向けメニュー「プラン P」が、1人あたり月額600円で利用できる。また、数人から数万人まで幅広く利用可能な中規模から大規模向けメニュー「プラン E」が、1 人あたり月額1,000円から利用できる。
「Office 365」は、「Microsoft Office アプリケーション」の月額利用に加え、クラウドベースのサービスである「Microsoft Exchange Online」、「Microsoft SharePoint Online」、「 Microsoft Lync Online」を統合して提供する。これにより、従来と変わらない業務を、遠隔地や在宅で遂行するなど、場所を選ばず生産性の高い業務を行う事が可能になるため、多様なワークスタイルが実現するという。
そのほか、「『Office 365』はマイクロソフトの海外データセンターでシステム運用するため、常に最新のサービスを簡単に利用でき、かつ社内サーバーも削減できることから、電源対策にも有効であることに加え、システムの運用管理の手間やコストの抑制が可能になる」と同社はコメントしている。
「Office 365」は、2010年10月から限定ベータ、2011年4月から公開ベータを提供し、ユーザーおよびパートナーと協力して検証を行いながら開発が進められた。早期導入企業の例として、トヨタ紡織、毎日放送、三菱ガス化学が「プラン E」を、メディアワークス・ブルームおよび中家製作所が「プラン P」を、それぞれ既に導入している。
また、「Office 365」の提供開始にあわせ、NTT コミュニケーションズ、大塚商会、リコージャパンの3社から、各社の強みを活かした付加価値サービスやネットワーク回線、インターネット接続、導入サポートなどを組み合わせた、ワンストップクラウドサービスの展開が開始される。これにより、特にITリソースが不足しがちな中堅中小企業やSOHOにおける、「Office 365」も含めたクラウド環境の整備・利活用の充実を推進するという。
さらに、2,000人以上のパートナーエンジニアに対する「Office 365」トレーニングを完了しており、パートナー各社の「Office 365」対応サービス紹介の Webサイトとして新たに公開した「Microsoft Office 365 Marketplace」(http://office365.pinpoint.microsoft.com/)には、現時点で60種類の対応ソリューション(日本国内)が掲載されている。
「Office 365」のウェブサイト (http://www.microsoft.com/online/ja-jp/o365/) では、サービスに関する情報に加え、無償で30日間の評価が行える試用版の申込も受け付けている。また、「Office 365」提供開始に合わせて実施するビジネス拡大支援キャンペーン (期間限定) も、同Webサイトから申し込み可能。