現代を生き抜くためのノウハウ満載!中小企業IT活用実践手法:第8回 IT活用の人材不足解決方法

2011年6月28日 18:05

■中小企業のIT人材不足を解決する考え方
 中小企業の場合、IT導入が進まない阻害要因のひとつに自社に「ITの専門家がいない」といった課題があります。

 通常、ITを利用する役目は社内の従業員、ITを導入する役目はITベンダー、そして導入したITの維持・管理をするのはIT人材の役目と割り振られています。しかし、中小企業の場合、自社にIT人材を雇用することは難しいのが実態です。そこでIT人材不足を解決する考え方を紐解いて説明したいと思います。

 ITは企業の資産として“所有”することが通常でした。ITを資産として所有すれば、自社内にハードウェアのサーバーやソフトウェア(OSやミドルウェア)そして、財務・会計、人事、給与、在庫管理、工程管理などのアプリケーションソフト(システム)を保有し管理をすることになります。

 当然、資産として保有すれば、国の税金や社会保険などの法律が変わればソフトウェアもそれに合わせてバーションアップを行う必要があります。
また、不具合などがでれば、ITベンダーに対応を依頼する前に自社で障害切り分け作業が発生します。

 その他、個人情報漏えい対策や企業機密に関わる情報資産などのセキュリティ対策も行う必要があります。IT人材には、これだけ多くの業務があることから、中小企業の場合でもIT人材を雇用する必要がありました。

■IT資産を保有するからIT人材が必要になる
 それでは、この作業が無くなれば、IT人材を雇用しなくても済むのでしょうか?

 ひとつの答えとして、自社にIT資産を所有するからこのようなIT人材を雇用する必要が出るわけです。そこで、逆説的に考えてみればIT資産を保有しなければいいわけです。

 その考えを実践するためにSaaS(サース)を活用します。SaaSについてはすでに前回の第7回目『最新のクラウド・コンピューティング活用方法』の記事の中で紹介しましたが、もう一度、説明するとSaaSの利用・活用とは、水道料やガス料金のように毎月固定額の利用料金を払いITサービスを“利用”するいう風に変更することをいいます。

 同時にインターネット経由でITサービスを使えることから自社にITの専門家が居なくともバージョンアップやセキュリティ対策が可能となりました。このようにIT人材の不足している中小企業ではSaaSを積極的に活用することが求められています。

■IT活用人材育成は今後“習うより慣れろ”の時代に突入

 最後に、そうはいってもIT活用の人材が必要ないとは全く言っていません。そうした場合には中長期的にでも良いのでIT人材を育成していきましょう。また、最近のIT活用の現場では“習うより慣れろ”という精神でが潮流になってきました。それを後押ししているのが最新のITツール類の進化です。

 現在、市場に出ているITツール類はGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)が非常に視覚的で分かりやすくなってきました。その代表例がアップルコンピュータ社のiPadやスマートフォンなどのツール類です。iPadなどは購入時にマニュアル類が付属されていません。これは子供から老人まで全年齢層の方々に対してIT機器を触ったことのない方々が勝手にいじっているうちに使えるようになるといったコンセプトなのです。

 このようにIT活用人材育成は今後、クラウド・コンピューティングやiPadやスマートフォンなどのツール類の出現で大きく変化していくことでしょう。

 では、次回は『ツイッターなどのソーシャルメディアマーケティングの実態』にについてお話していきましょう。是非、お楽しみに!!

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