土壌汚染処理関連の巴工業:状態と見通しと対応=犬丸正寛の銘柄カルテ

2011年6月27日 17:54

■巴工業 <6309> (東1)

  【状態】 巴工業は3月の震災時に安値912円と下げたあと急反発、4月22日には1849円の年初来高値をつけた。その後も1750円を挟んだモミ合いで高値圏の頑強といえる動き。長期的な動きでは、上場来高値3000円(06年2月)からの下げには完全にピリオドを打ち出直りに入っている。

  営業利益の最高は2008年10月期の24億5600万円で、今期の営業利益は22億7000万円(前期比4.5%増)とピークに対し9.2合目まで回復する。来期には最高益更新が見込めるだろう。土壌汚染処理関連としての人気から注目度は高い。

  【見通し】 既に、高値圏のモミ合いは2ヶ月半に達し、ひとつの目処である3ヶ月にあとわずか。モミ合いを放れるなら、下ということは考え難く、当然、上放れだろう。その場合の第一目標は06年6月以来となる2000円台乗せだろう。人気次第では一気に2000円を大きく突破することも予想されるが、常識的には2000円台に乗せた後、大台を固めてから上場来高値挑戦とみられる。

  【対応】 同社はデカンタ型遠心分離機の最大手。遠心分離機には洗濯機型のバスケット型と、筒の中に筒が入った形のデカンダ型がある。このデカンタ型のタテ型、ヨコ型で世界最大規模の実績があり、下水処理等で活躍。東京都から使用電気量を半分に抑えた省エネタイプを複数台9億円受注した。北米からも今期は103台の受注となる。放射能を含んだ汚泥処理が社会的に問題となっており、同社への発注の可能性もありそうだ。今10月期は10.8%増収、営業利益4.5%増益、純益2.6%減益、1株利益132.2円の見通し。配当は年40円の予定。

  27日の1760円台の株価はPER13倍強。売買単位100株。モミ合い上放れに備えて1760円どころは仕込み場とみてよいだろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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