Linus Torvalds氏、ARM用コードに噛み付く

2011年6月22日 19:08

  eggy 曰く、

 LinuxカーネルのメンテナーLinus Torvalds氏がARMに対して噛み付いており、せっかく整理統合が進みつつあるARM用Linuxカーネルの動きを脅かしているとのこと(本家/.IT World記事)。

 3月31日、LinusはLinuxカーネルのメーリングリストに宛てたメッセージで「つまり私が言いたいのは、ARMデバイス用のドライバを闇雲にLinuxカーネルに加えるべきでないということだ」「なぜなら、それは動かないからだ。長期的に見れば、これらの変更はメンテナンスできないゴミだ。」「カーネル内に組み込むべきではない」と述べており、4月18日には「無意味なプラットフォームのコードが果てしない程あるというのは問題だってことに皆気がつかなくてはならないし、唯一私にできることといったら『直す努力を怠るようなら、お前達から離れるぞ』と言うことだけだ。最終的にはそうすることになるだろうが」と強気な姿勢を崩していない。

 ARM用Linuxカーネルを開発するLinaroのDavid Rusling氏によれば、新カーネルに対しておよそ70,000ものARMコードが追加されるのに対し、x86コードはたったの5,000程しか追加されていないとのこと。Torvalds氏の苛立ちはもっともであると思われる。

 この背景には、最近のARM搭載デバイスの急増と、組み込み向けシステム開発企業によるLinuxへの貢献の増加がある。デバイスベンダーはLinuxカーネルにこれらのデバイス固有の改良を加え、それをLinuxカーネルのメインツリーに入れようとするが、そのようなコードは長期的に見ればやがてメンテナンスされなくなる可能性が高い。また、コミュニティによって十分にレビューされていないコードがメインツリーに入ってしまう可能性もある。Linus氏の苦言は、このような状況を踏まえたもののようだ。

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