活動地域移行させる可能性あり 599社

2011年6月22日 11:00

 帝国データバンクが夏季の企業行動意識調査を全国2万2660社を対象に5月19日から31日の間で行った結果、1万1111社から回答が寄せられ、電力不足を理由に活動地域を移行させる可能性のある企業が5.4%(599社)にのぼることが分かった。

 移行の可能性があるとした企業の23.4%は移行先として近畿をあげ、近畿以西が38.4%になっていた。一方、海外への移行をあげた企業も14%あり、帝国データバンクでは「国内産業の空洞化」を懸念している。

 それによると、今夏に節電を実施する予定の企業は1万1111社のうち71.4%にあたる7936社になっていた。企業規模別では大企業が79.4%(2055社)、中小企業が69%(5881社)。地域別では南関東(87.7%)、北関東(82.5%)では8割を超え、東北が72.9%など東京電力と東北電力管内での企業の節電行動がとりわけ目立つ結果となった。

 節電の方法では節電するとした7936社のうち、7478社(94.2%)が空調などの温度設定の見直しをあげ、次いで、LEDなど消費電力の少ない製品、設備の導入(32%)、稼働・営業時間の短縮(13.7%)をあげた。夏季休暇を増やす(8.4%)、電力需要の少ない曜日に操業する(6.7%)、サマータイムを導入する(6.3%)などの企業も500社を超えた。

 一方、節電しない企業(1069社)はその理由として、自社のある地域では電力不足が生じないという回答が55.7%で最も多かったが、節電が不可能な設備や業態であることをあげたところも25.7%にのぼった。また、操業や営業時間の短縮によりシェアを奪われる可能性を危惧しているからという回答も4.9%あった。

 次に、企業活動地域の移行についての意向では78.8%の企業(8759社)は移行の予定も検討の可能性もないとしたが、15.8%(1753社)は分からないとし、5.4%(599社)は移行の可能性を回答。すでに0.2%(18社)は移行していた。

 移行の可能性ありとした599社のうち、移行の方法については42.6%が分散、15.2%が集約、10.5%が移転と回答。25%は移行方法は分からないとした。

 また、仕入先や得意先の地域を移行する可能性については9560社(86%)はどちらも移行する可能性はないとしたが、715社(6.4%)は仕入先を移行する可能性があるとし、215社(1.9%)が得意先を移行する可能性をあげ、434社(3.9%)はどちらも移行する可能性があるとするなど、何らかの形で取引先を移行する可能性をあげた企業は12.3%にのぼっていた。

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