一夜漬けの記憶が長持ちしない仕組みが解明される

2011年6月16日 12:30

  tarbz2 曰く、

  理化学研究所のプレスリリースによれば、マウスを使った実験で一夜漬けの記憶が長持ちしない仕組みが解明されたようだ (doi: 10.1523/​JNEUROSCI.3257-10.2011)。

 実験では、4.5秒で一往復するチェッカーボードをマウスに見せ、ボードに追従する眼球の動きの大きさで学習効果を測った。1時間集中的にボードを見せたマウス、30分、1時間、24時間の休憩を取って15分ずつ4回繰り返し見せたマウスなどの比較で学習効果に差はなかったものの、学習終了後24時間経過の時点では集中学習を受けたマウスは運動量が半分くらいに減少、つまり半分忘れてしまっていることが分かったそうで、反対に間隔を置いて学習を受けたマウスはほぼ完全に覚えていたとのことである。また、運動学習による記憶は小脳皮質、長期の運動学習による記憶は小脳核にあることが分かっているが、小脳皮質に局所麻酔剤を投与して小脳皮質の活動を止める実験を行ったところ、集中学習させたマウスの記憶は消えてしまったのに対し、その他のマウスの記憶には影響がなかったそうである。これは、集中学習での記憶は小脳皮質に留まったまま、小脳核へ移動しないことを示している。

 とりあえず休憩を挟んで繰りかえしの学習が必要ということのようだ。

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