現役セールスレップの営業コンサルタントがこっそり教える!!“新規開拓営業の極意”:第2回 お客様の満足度は絶えず変化する
2011年6月14日 12:24
■売上は上がったがクレームを頂くことに!!
さて、前回のコラムでは、下記のような「顧客満足事例」をご紹介いたしました。
・夕方にもパンを大量に焼く
・焼きたてを店頭でアピール
・夕方焼いた売れ残りパンをモーニング後のドリンクにサービスで提供
→その結果、お客様に満足して頂き、口コミで売上急上昇
このお店は順調に売上が上昇しましたが、ある日お客様から大きなクレームをいただくこととなってしまったのです。
どのようなことかと言うと、ある日の夕方はとてもお客様の入りが良く、大量に焼いたパンも殆ど売り切れてオーナーはじめ、スタッフ一同大喜びをしていました。
夕方から夜にかけて入られたお客様は、「もうこれだけですか・・・」と残念そうに帰りました。
しかし、こんなことは繁盛店には良くあることと、特にクレームにはならず、「明日からもっと大量に焼こう!」と、スタッフ一同喜びが隠しきれませんでした。
事件が起きたのはこの翌日です。
いつものように、モーニングタイムが終わり、多くの主婦の方々が集まってきました。が・・・サービスで提供するパンが有りません。前日は品切れしている状況でしたから。
あるお客様に事情を説明したところ、「友達に“サービスで美味しいパンが付く”と声を掛け、何人も誘ってきた私の顔を潰すきか!?」と、大激怒されてしまったのです。
オーナーはやむを得ず、「本日は特別ですよ!」と、午前中焼けたばかりのパンをサービスで提供しました。
そのお客様はとても満足げでしたが、当然のことながらそのお客様グループだけにサービスする訳にはいきません。この日はスタッフ一同てんてこ舞いで、利益も出ない惨憺たる結果でした。
文面でお伝えするのはとても難しいですが、分かりやすく説明すると、人は「欲が出る」ということと、人は「継続されたサービスが当たり前」になってしまうのです。
もともと「サービスの告知」をしている訳でもないのですが、「いつもサービスして貰っていたものが無い」ということが、お客様の満足度を落とすばかりか、「クレーム」になってしまったのです。
■クレームをヒントにしてチャンスをつかむ!!
私はすぐオーナーに呼ばれ、「また何かアイデアを出してくれないか?」と、神にもすがるべく困り果てた表情でした。
そして次に思いついたのは、前日にパンが残らなければ、新製品(試作)をつくり、お客様に提供することを提案しました。
オーナーは、そんなことをしたら、今回のように焼きたてパンをサービスするのと同じで、利益が出ないと・・・乗り気ではありませんでした。
しかし、売り手の感覚と、買い手の感覚が違うことを説明し、(この例えも分かりづらいですが、売り手が「美味しい、値頃」と思って新製品を出しても空振りすることが多々ある)新製品の試食会と考えたらどうでしょう?と説明し、次回売れ残りが無い場合に実行しようということに決まりました。
そして実行する日はすぐにやってきました。
するとどうでしょう!!デパ地下の試食販売のように、気に入ってもらえれば「お友達の家へのお土産」「家族の分」と、買って帰られるお客様が増え、またまた売上が上がりました!!
実は私の営業魂は、高校時代のアルバイト経験で身につけた、「顧客満足の追求」が原点であり、「顧客の満足度を永遠に上げ続ける」という考え方なのです!!
次回のコラムは営業の基本“提案営業”の本質に迫ります!!
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