パナソニック、中国で照明事業を強化 LEDなど省エネ照明器具を導入

2011年6月10日 13:33

 パナソニックとパナソニック電工は9日、中国における照明事業を強化し、中国の省エネへの貢献を目指すと発表した。パナソニックグループ全体の事業として取り組み、2015年度までに、中国における照明事業の売上高を、2009年度実績比約5倍を目指す。さらに、同年までに、中国照明事業のLED照明比率60%以上を目指す方針。

 中国照明事業の強化第一弾として、広東省広州市の広州国際会議展覧センターで、6月9日から12日まで開催される「2011広州国際照明展覧会」に、今後中国で販売予定のLED照明や蛍光灯など高効率な照明器具やランプなどの新製品や、日本市場で販売している光の質にこだわった最新のLED照明などを展示。また、4月にイタリアで開催された世界最大級の国際家具見本市「ミラノサローネ」に出展したLED照明を使った展示の一部を再現する。

 具体的な事業の内容としては、住宅照明に関しては、照明器具などの専門販売店のネットワークを2015年度までに5,000店に拡大、さらに内陸部への店舗展開を強化する。また、エンドユーザーへの「家まるごとソリューション」の提案を強化するほか、百貨店や量販店などの流通チャネルも拡大していく。

 非住宅照明に関しては、既存建物の照明を高効率照明に取り換えるリノベーション事業を、中国政府と協力するほか、LED照明のラインナップを強化し、オフィス・店舗・道路など、「ビルまるごと」・「街まるごと」といった大規模な単位に省エネ提案を拡大し、快適でエコな街づくりへの貢献を目指す。

 一方、中国におけるランプ事業については、これまで、一般家庭向けに、白熱灯から省エネの電球形蛍光灯「パルックボール」グローバルモデルへの取り換えを積極的に推進し、300万本の実績があるという。今後は、政府によるLED化推進政策に合わせ、LED電球発売に向けて企画開発を推進していく。

 中国では、「パナソニックブランド」の照明に対する評価は高く、「中国省エネ協会認定 省エネ中国優秀技術モデル企業 照明メーカー」として1社選出されているほか、「北京市消費者協会の省エネ比較試験結果で5つ星評価の取得」、「設計士が選ぶ優秀照明ブランドトップ10に選出」、「中国有力デベロッパー500社が選ぶ採用したい建築設備ブランドに選出(照明器具4位、配線器具3位)」などの実績がある。

 パナソニックグループでは、1987年に中国に初めて合弁会社を設立し、以来、「中国への貢献」という考え方を基本として、中国での事業を進めてきた。その後照明事業としては、パナソニック電工が1993年に照明器具などを製造する合弁会社を北京に設立。1995年には、パナソニックが北京の子会社でランプの製造を開始し、2001年にランプ製造子会社を設立するなど、グループで照明器具やランプ、照明デバイスなどの製造拠点(インフラ)の強化を進めてきた。2005年には上海に中国生活研究センターを設立し、中国に根ざした商品開発のための情報収集を行い、より中国の生活様式に適合した製品の開発に役立てている。

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