【株式市場・この1週間】東証1部市場の売買高は10年12月29日以来の低水準

2011年6月5日 11:32

■株式市況を振り返って(5月30日~6月3日の週)

  週初5月30日の日経平均株価は前日比16円97銭(0.17%)安で続落、TOPIXは前日比1.22ポイント(0.14%)安で続落した。売り先行で日経平均株価は9500円台を割り込んでスタートした。その後はジリ安の展開となり、一時は前日比73円94銭安まで下落幅を広げた。しかし次第に下落幅を縮小して、9500円を挟む小幅レンジでのモミ合い展開となった。アジアの株式市場が堅調だったため前日比プラス圏に浮上する場面もあったが、積極的な買いは見られず、結局小幅安で取引を終了した。世界的に景気の先行きに不透明感が広がる中で、30日の英国市場と米国市場が休場となるため手控えムードの強い展開だった。東証1部市場の売買高は13億8093万株で10年12月29日以来の低水準、売買代金は9176億円で4月25日以来の1兆円割れとなった。

  31日の日経平均株価は前日比188円76銭(1.99%)高で3営業日ぶりに大幅反発、TOPIXは前日比14.80ポイント(1.80%)高で3営業日ぶりに大幅反発した。日経平均株価は小幅安でスタートしたが、すぐに切り返して前日比プラス圏に浮上した。さらに、米格付け会社ムーディーズが日本国債の格付け見通しを引き下げ方向で見直すと発表したことを受けて、外国為替市場で円安方向に振れたことも好感し、株価指数先物取引での買い戻しの動きが主導する形でほぼ全面高の展開となった。日経平均株価は上昇幅を広げ、この日の高値圏で取引を終了した。

  6月1日の日経平均株価は前日比25円88銭(0.27%)高で小幅に続伸、TOPIXは前日比0.93ポイント(0.11%)高で小幅に続伸した。前日の米国株式市場の上昇を好感する形で、日経平均株価は小幅高でスタートした。買い一巡後は前日比マイナス圏に転じた。前日の大幅高で利益確定売りが出やすい状況だったうえに、外国為替市場で円安一服となったことも買い手控えにつながり、上値の重い展開だった。日経平均株価は前日の終値を挟むレンジで小動きに終始したが、結局小幅高で取引を終了し、終値で5月12日以来となる9700円台を回復した。中国の5月製造業PMI(購買担当者景気指数)は市場予想を上回ったが反応は限定的だった。

  2日の日経平均株価は前日比164円57銭(1.69%)安で大幅反落、TOPIXは前日比13.65ポイント(1.62%)安で大幅反落した。前日の米国株式市場の大幅下落、外国為替市場での円高進行を嫌気して、日経平均株価は前日比158円98銭安と大幅反落してスタートした。その後は前日比202円33銭安まで下落幅を広げた。しかし売り一巡後は下げ渋り、小動きとなった。外国為替市場でやや円安方向に振れたことも下支え要因だった。ただし午後に入ると、内閣不信任決議案の採決待ちとして様子見ムードが広がり、一段と膠着感を強めた。

  3日の日経平均株価は前日比62円83銭(0.65%)安で続落、TOPIXは前日比9.19ポイント(1.11%)安で続落した。前日の米国株式市場の下落を受けて日経平均株価は小幅安でスタートした。その後、一旦は前日比プラス圏に浮上する場面もあったが、積極的な買いは続かず、次第にジリ安の展開となった。一段と売り込む動きも見られないが、米5月雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強く、日経平均株価は結局この日の安値圏で取引を終了し、5月25日以来の9500円台割れとなった。政治の混乱、中国の利上げ観測も圧迫要因となり、日経平均株価の下落幅以上に重苦しいムードだった。

  なお3日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均株価が前日比97ドル29セント(0.79%)下落、S&P500株価指数が前日比12.78ポイント(0.97%)下落、ナスダック総合株価指数が前日比40.53ポイント(1.46%)下落した。この日発表された米5月雇用統計で、非農業部門雇用者数の増加が前月比5.4万人増加にとどまり、市場予想を大幅に下回ったことが嫌気された。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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