ソニー、28日から日本やアジアでPSNとキュリオシティのサービスを再開

2011年5月27日 20:37

 ソニーとソニー・コンピュータ・エンタテインメント(SCE)は27日、先月の情報流出を受けてサービスを停止していた、同社のゲーム機「プレイステーション」向けのサービス「プレイステーション・ネットワーク(PSN)」と、動画・音楽配信サービス「キュリオシティ(Qriocity)」のサービスを、28日から日本、台湾、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイで段階的に再開すると発表した。一方、韓国と香港でのサービス再開については、「準備が整い次第通知する」という。なお、欧米地域では、すでに今月15日からサービスが再開されている。

 再開される機能は、「サービスのサインインおよびパスワード変更」、「『プレイステーション 3』(PS3)および『プレイステーション・ポータブル』でのオンライン対戦」、「フレンドリスト、チャット機能、トロフィーなどの『フレンド』カテゴリー内の機能」、「torne(トルネ)などの各種サービスにおけるネットワーク機能」(ただし、PlayStationStoreとキュリオシティビデオオンデマンドの利用と決済を伴うサービスは含まれない)など。

 同社は、サービス再開に当たり、「情報セキュリティ専門会社とともに、より高度なセキュリティ技術の導入や、システムへの侵入、および脆弱性をモニタリングするソフトウェアの追加、不審な行動パターンをより早い段階で警告・検知するシステムの導入、暗号化方式の強化、ファイアウォールの増設などデータセキュリティシステム強化を含む安全管理措置を講じた」とコメントしている。さらに、体制面においても、情報セキュリティ管理強化策の一環として、「チーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー」の職を新たに設けたと発表した。

 また、不正侵入によって違法に持ち出されたと考えられる情報の範囲・特定については、「外部の調査機関を含んだチームによる調査を継続している。本日(27日)時点において、顧客のクレジットカード情報が持ち出されたという証拠は報告されていない。また、今回の不正侵入を原因とする不正利用があったということも確認していない」と報告している。

 ソニーの平井一夫代表執行役副社長は、「不正アクセスによる個人情報流出の可能性について、また長期間のサービス停止について、日本およびアジアの国・地域のお客様に、多大なるご心配とご不便をおかけしていますことを心よりお詫び申し上げます。今回の件を受け、データセンターを設置していた米国にて捜査当局による犯罪捜査を進めていただく一方、皆様に安心してサービスをご利用いただけるよう24時間体制でより強固なシステムを構築してまいりました。皆様に最高のエンタテインメントを安心してお楽しみいただくためにも、今後も万全の体制を整え、セキュリティ向上に関する取り組みを全力で推進してまいります」とコメントしている。

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