NASA、新型有人宇宙船「MPCV」計画を発表

2011年5月25日 12:00

 米航空宇宙局(NASA)は5月24日、次世代有人宇宙船「多目的有人宇宙船(MPCV=Multi-Purpose Crew Vehicle)」の開発計画を正式に発表した。

 NASAはこれまでオリオン有人宇宙船の開発を進めてきたが、同宇宙船はオバマ政権が2010年2月、「コンステレーション計画」を打ち切ったと同時に中止され、製造元のロッキード・マーティン社も開発を凍結するように、各下請け企業に手紙を出していた。

 MPCVは4人乗りの有人宇宙船で、大型ロケットによって打ち上げられ、21日間のミッションをこなすことができる。また、居住モジュールと共に打ち上げれば、月や火星、小惑星までの飛行もできるという。大気圏再突入と帰還はオリオン有人宇宙船と同じ方式を採用し、太平洋に着水する。打ち上げと帰還の安全性はスペースシャトルよりも10倍も高い。

 MPCVはオリオン有人宇宙船の設計を元に、ロッキード・マーティン社が改造を進めており、既にデンバーの施設で試験が行われている。初の有人打ち上げについては、ロッキード・マーティン社は2016年以降だと説明しているが、NASAは開発費用や期間などについては明言していない。

 写真=NASA。

 ■NASA Announces Key Decision For Next Deep Space Transportation System
http://www.nasa.gov/home/hqnews/2011/may/HQ_11-164_MPCV_Decision.html

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