みずほ銀行の西堀頭取が退任、統合によるワンバンク体制へ移行も検討
2011年5月23日 20:17
みずほフィナンシャルグループ(FG)は23日、みずほ銀行の西堀利頭取が6月20日付で退任し、現みずほFG取締役社長である塚本隆史氏が、みずほ銀行の新頭取に就任すると発表した。なお、塚本氏は、みずほFGの会長職も兼務する。西堀頭取の退任は、3月の東日本大震災に伴い、発生した大規模なシステム障害に対する責任を取ったもの。
また、みずほFGは信頼回復に向け、今後「経営体制」、「人事」、「業務」の大胆な集約と一元化を図ることで、グループの一体運営を一段と強化し、合併等の統合を視野に入れた「ワンバンク」体制に実質的に移行すると表明。将来的に、グループ傘下の「みずほ銀行」と「みずほコーポレート銀行」を統合させる意向を示した。
「ワンバンク」体制に向けた具体的な取り組みとして、FG取締役社長を「グループCEO(最高経営責任者)」と明確に位置づけるとともに、指名委員会及び報酬委員会の独立性を強化するため、社外構成員を過半数とする体制に変更する。また、企画・管理本部の一元化を目指し、今後、みずほFGの担当役員が、「みずほ銀行」と「みずほコーポレート銀行」の担当役員を兼務する体制を構築していく。人事部もみずほFGに一本化し、、グループ横断的かつ一元的に責任を持つ体制へ移行する方針。
さらに、「みずほ銀行」、「みずほコーポレート銀行」、「みずほ信託銀行」のバンキング業務に係る事務や、勘定系システムの一元化を目指す。次期システムの構築を加速させ、2012 年度末を目途に業務共通基盤を完成させ、以後2015 年度末を目途に順次、預金・為替・融資・外為・信託といったコンポーネントシステムをリリース、併せて基幹情報系もリリースしていく方針。さらに、次期システム構築の最終形として、勘定系・情報系に加えて、チャネル系を含む全てのバンキング業務のシステムプラットフォームの完全一元化を検討しているという。
また、顧客との信頼関係を回復させるため、顧客担当の役員や担当者の人員を
増強する。1000人を営業現場にシフトさせ、信頼回復に向けて、顧客との接点強化に努めていく。