【新聞・雑誌から投資ヒント】日本経済の牽引は東北か九州か?

2011年5月23日 10:25

■2大経済誌が東北地方と九州地方にそれぞれスポットライト

  2大経済誌がそれぞれの最新号で「北と西」の地域特集を組んでいる。週刊東洋経済は5月28日号で『東北復興・東北の復興なくして日本全体の再生はありえない』、日経ビジネスは5月23日号で『九州・巨大アジア市場をつかむ潜在力』と題した、ともに、総力取材特集である。

  東洋経済では、東北地方が日本経済に占める比率は6%程度と決して高くはない。とくに、東北地方依存度が低いはずの輸送用機器(自動車)をはじめ、多くの産業が深刻な被害を受けたのは全体に占めるシェアは低くても特定分野で高シェア製品の不足がサプライチェーン全体を脅かしたからであると指摘している。たとえば、福島県いわき市にはブレーキに使われる小さなネジで国内シェア7割の企業があったという。まさに、山椒は小粒でもピリリと辛い、というのが東北地方の存在感ということだろう。

  こうした東北地方について、同誌は「地場産業は回復するか」、「全国にどこまで波及したか」、「インフラ復旧は万全か」、「市民生活は元に戻るか」という項目を設け詳細なデータと共に取り上げている。

  一方、日経ビジネスは明治34年(1901年)、北九州で操業を始めた官営八幡製鐵所において、この国の産業革命がここから始まり、世界に冠たるモノ作り大国に結実したという、歴史的な視点での九州を取り上げているのが特徴。そして、中国が世界第2位の経済大国に成長したことで九州の位置づけも、さらに変わろうとしているという視点である。特集では、「九州新幹線が全線開通」、「韓国系ゴルフ場の半分が九州に」、「日産、九州工場で小型車生産へ」、「太陽電池普及率は国内トップ」、「博多港は貿易取引が過去最高」、「全国の有力通販会社が集積」、「北九州は国内屈指の環境都市」など具体的な記事で熱い九州を取り上げている。

  国民感情的には、われわれ多くの国民が東北の復興に声援を贈っている。その一方で、中国など今後も経済成長の期待できる東南アジアと地理的に優位な位置にある九州も有望という意識も強く芽生えている。今後、東北と九州がどのような展開を見せるかによって、株式投資において、関連銘柄の有望性は大きく変わってくるものとみられる。投資家には両誌とも手元に置いて投資のヒントにしたい特集号である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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