現役セールスレップの営業コンサルタントがこっそり教える!!“新規開拓営業の極意”:第1回 「私が営業の基本“顧客満足”を初めて知った時」

2011年5月19日 12:41

第一幕 顧客満足の意味をシェア

■課題発見!売上の分かれ道!!
 今から25年くらい前、私は愛知県立の普通科高校へ通いながら、様々なアルバイトを掛け持ちし、将来自分は何がやりたいのかを模索していました。

 新聞配達やポスティング、当時では珍しい焼きたてパン&ケーキ&喫茶で販売、接客、調理を経験し、更には電気屋でエアコンや電気製品の取付助手等々・・・様々なアルバイトを掛け持ちしていました。

 これらのアルバイト経験をしているうちに、お客様が喜んで頂ければ売上が上がり、雇い主も喜んで頂けるという、とても当たり前の法則“顧客満足”に気が付く経験をさせて頂けたのです。

 焼きたてパン屋では毎日大量のパンが閉店後廃棄されていました。(もったいないので貰って帰っていましたが、とても食べ切れません(笑))

・パンが売れる時間帯は朝、昼、夕と決まっている
・焼いてから時間が経つと味が落ちる
・売れ残してしまえば利益が減る
・朝、昼、夕と少量ずつ焼けば、手間(人件費)が高くなる
・棚に並んでいるパンの種類が少ないとお客様が減る

 以上の課題は誰でも容易に想像ができます。ここからどうするかが繁盛店になるか、衰退するかの分かれ道です。

 ある店は1日に売れる分を予想して午前中に効率よくパンを焼きました。すると夕方以降のお客様が減っていき、どんどん焼くパンの量とともに売上が衰退していきました・・・読者の皆様はどのような売上向上策が思いつきますか?

■ちょっとしたアイデアで売上急増!
 私は店頭販売業務も行っており、「こちらのパン焼きたてです!!」というトークでそのパンが売れることを体感していましたので、一気に焼きたて状態で売り切ってしまおう!と考えました。

 そこで、オーナーに「夕方もいっぱいパンを焼いてください!!」と訴えたところ、「売れ残ったらどうするんだ!!」と拒否されました・・・売上が上がっても、ロスが増えたら意味が無いと、もっともな論理展開です。

 このお店は喫茶店も営んでおり、モーニングからランチまでの時間帯は喫茶、パン、ケーキ共に売上が上がらないというか、お客様が入らない時間帯でした。(名古屋は朝食を喫茶店で食べる習慣があります)

 そこで思いついたのが、その時間帯にドリンクをオーダー頂いたお客様へ、前日の売れ残り(夕方焼いたパン)を無料サービスすれば良いのでは?とオーナーに提案し、捨てるよりは良いかも?と、トレーに載せて選んでもらうことを始めました。

 するとどうでしょう!子供を学校や幼稚園に送りだした後、洗濯や家事を終わらせた主婦の方が口コミで殺到したのです!!

 一般的にドリンクの利益率は高いので、前日の残りを無料でサービスしても、お客様が増えれば損はしないことが判明し、夕方の焼きたてパンの量を増やして貰え、売上が上がり始めました。

 お客様は「焼きたてです!」という言葉、プレートにより受ける影響が大きいことも学びました。

 そして次に行った仕掛けが人気の順位付けです。自信作を出した時には「1番人気!!」というプレートを付け、売上見込みの数倍以上を焼いて積み上げます。残ったら翌日のサービス品にすれば良いので、安心して大量に焼いてもらえました。

 これらを続けることで、「夕方に行っても焼きたてパンが大量」「モーニングタイム後に行けばパンが無料で食べられる」と、口コミが広がり、店舗の売り上げは鰻登りでした。

 この時は私もオーナーもこれぞ「顧客満足」による売上アップだと喜んでおりました。

 しかし・・・今もよく営業コンサルティングでお話させて頂く内容ですが、「お客様の満足度は絶えず変化するのです!!」

 次回のコラムは営業の基本“顧客満足”の本質に迫ります!!

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