東京電力 今夏の電力供給力を5620万kWに上方修正

2011年5月13日 20:08

 東京電力は13日、今夏の電力供給力を7月末までに5,520万kW、8月末までに5,620万kWへ上方修正すると発表した。4月15日に発表した段階では、それぞれ5,200万kW(7月末)、5,070万kW(8月末)とし、同社が今夏の最大電力需要として予想している5,500万kWをいずれも下回っていた。今回の修正により、今夏に大規模停電に陥る危険性は薄まったが、あくまで「個人や企業が自主的に節電対策を行う」ことを前提にしたうえでの見込み。計画停電の「原則不実施」を継続するには、国民一人ひとりの節電意識の向上が不可欠だ。

 東電は、新たなガスタービンの設置、現在震災停止中や定期点検中である全火力発電所(長期計画停止中の横須賀火力5~8号機を除く)の復旧、揚水発電のさらなる活用により、供給力を引き上げる。

 一方、東電は、今回の震災で甚大な被害を受けた東北地方の電力需給バランスの緩和に向け、東北電力側に最大140万kWの電力融通を行う考えもあり、電力融通を考慮した場合の供給力は、5,380万kW(7月末)~5,480万kW(8月末)になるという。その場合、最大電力需要見込みの5,500万kWを下回る可能性もあり、決して「安定的」とは言えない状況が続く。

 さらに同社は、「経年火力の連続稼働等による計画外停止や、異常な猛暑による需要の急増などが発生した場合には、需給の安定確保に支障をきたす可能性がある」と、不測の事態が起こる可能性について言及。今後も追加供給力対策を着実に実施し、供給力の確保に努めていく方針。

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