スマートフォンが前年比3.7倍 10年度携帯電話出荷状況
2011年5月11日 13:46
MM総研は10日、2010年度通期(10年4月~11年3月)の国内携帯電話出荷状況の調査結果を発表した。総出荷台数は前年比9.3%増の3764万台。特にスマートフォン市場が急激に拡大し、スマートフォン出荷台数は855万台で前年比約3.7倍の大幅増となった。理由について同総研は、「同市場を牽引してきたiPhone(アイフォーン)に加えて、NTTドコモ、auから多数投入されたAndroidOS搭載スマートフォンが相次いでヒットした」ためと見ている。一方、2010年度通期スマートフォン市場のOS別出荷台数・シェアはAndroidが57.4%となり、iOSの37.8%を逆転して1位となった。
2010年度通期のメーカー別出荷台数シェアは、シャープが2005年度以降6年連続の1位を獲得。出荷台数は858万台(前年比5.0%減)で、シェアは22.8%(前年比3.4ポイント減)となった。シェア減少の要因として、同総研は「ソフトバンク市場でのシェア低下」のため、としている。
2位は昨年度3位の富士通。東芝の携帯電話事業を買収し、昨年10月に設立した富士通東芝モバイルコミュニケーションズ分を含め、652万台(25.9%増)で、シェアは17.3%(2.3ポイント増)となった。ドコモ向け「らくらくホンシリーズ」が引き続き中高年層を中心に高い支持を集めている点に加え、REGZA Phone「T-01C(ドコモ)」や「IS04(au)」のヒットが台数・シェア拡大に寄与し、昨年から順位を1つあげた。
3位は昨年度2位のパナソニックモバイルで439万台(15.6%減)。以下、4位がNECカシオ、5位が京セラ、6位が米アップル、7位がソニー・エリクソンと続いた。
また、スマートフォン市場のメーカー別台数・シェアは、1位が米アップル(37.8%)、2位がシャープ(24.3%)、3位がソニー・エリクソン(9.8%)、4位が韓国サムスン(9.0%)の順。米アップル社は、スマートフォンの草分け的存在である「iPhone」が引き続き好調だったとみられる。また、シャープは、10年度下期に大手3社に向けて投入した、「IS03(au)」、「LYNX 3D(SH-03C)(ドコモ)」、「GALAPAGOS SoftBank 003SH」などのAndroidスマートフォンがヒット。米アップルに続いて2位につけた。
一方、同総研は、2011年度通期の出荷台数について、スマートフォン市場の更なる拡大や、au市場のトライバンド対応に伴う買い替え促進などにより、携帯電話市場の好調傾向は継続され、前年比3.3%増の3,890万台になると予測する。東日本大震災による供給面での影響が懸念されるが、「上期では影響が生じることを想定しているが、通期で見るとその影響は微少である」と、同総研は考察している。さらに、11年度は、スマートフォン市場において、最新OSやデュアルコアCPUなどを搭載したハイエンド端末から、一部機能を抑えたミドルからローエンド端末まで、国内・海外メーカーを問わず数多くのスマートフォンが投入されることが見込まれており、2011年度のスマートフォン出荷台数は携帯電話総出荷台数の過半数を占める可能性もあると分析している。