株式評論家・海老原紀雄氏に株式市場動向を聞く=犬丸正寛

2011年4月30日 17:31

【株式評論家・海老原紀雄氏に株式市場動向を聞く】

――相場に対する印象はいかがですか。

  【海老原氏】 膠着の印象です。3月に大きく下げたことで売物が枯れていると思います。しばらくは、日経平均は9000円台の往来ではないでしょうか。

――材料的にはいかがでしょうか。

  【海老原氏】 アメリカFOMC(連邦公開市場委員会)での金融政策の方向も出ました。予想される材料は出尽くしたと思います。ただ、気になるのはオランダの個人のトレーダーが大きな損失を出したといわれていることです。こういう事の後に、金融波乱へつながるケースがあるため注意をしておく必要はあります。夏場に金融波乱の材料が出ることが多いですからね。もちろん、国内では福島原発がこれ以上、事態が悪化しない、ということは言うまでもありません。

――政治との関係はいかがでしょうか。

  【海老原氏】 復興関連費用を国債でまかなうのか増税で行くのか分からない状況です。政治もはっきりしません。いずれにしても日本の財政は厳しい状況です。このため、個人の資産家は「徳政令」を気にしているのではないでしょうか。しかも、低金利状態から個人の資金は国内より海外へ目が向いていると思いますよ。3~5年の期限を設けて相続税をゼロとするといった政策でタンス預金などが動くようなシステムを考えないといけないと思います。日本は預金偏重が問題です。とくに、今度の震災による電力株の下げで預金偏重にいっそう拍車がかかることを心配しています。

――あえて、株ということでは。

  【海老原氏】 今、中長期投資を旨とする投資家が、腰を据えて買える時ではないでしょう。少なくとも、3月期決算が出揃って、12年3月期の企業業績がはっきるするまでは無理です。あえて、ということなら「電池関連」の銘柄は有望だと思います。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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