2011年の国内IT市場は4.5%減に:震災の影響で2月時から大幅下方修正=IDC

2011年4月19日 14:52

 IDC Japanは18日、東日本大震災の影響を考慮した国内IT市場予測を発表した。これによると、2011年の 国内IT市場規模は前年比4.5%減の12兆165億円で、震災前の今年2月時の予測(同0.6%増の12兆6,172億円)から大幅に下方修正した。同社は、設備投資や消費の減退、サプライチェーンの寸断による部品や素材の供給不足を要因として指摘している。

 同社は、政府自治体や企業が復興を最優先にし不要不急のIT支出を後回しにすることを背景として景気低迷が見込まれ、企業心理・消費者心理の悪化から設備投資と消費も減退、IT支出が抑制され、「景気の二番底を避けられない」と分析している。

 一方、2012年には復興需要や外需のけん引による景気回復に伴ってIT支出が全般に拡大すると見込む。2011年の落ち込みの反動もあり、2012年の国内IT市場は前年比3.5増の12兆4,327億円になると同社は予想している。

 IDC Japan ITスペンディング/ITサービス/ソフトウェア&セキュリティ/コミュニケーションズ グループディレクターの和田英穂氏は、中長期的に東日本の電力逼迫を解決する必要があることを背景にスマートメーター、スマートグリッド、家庭向けエネルギー管理システム(HEMS:Home Energy Management System)などの導入が促進されるとして、「ITベンダーはクラウドの技術を生かしスマートグリッドやエネルギー管理システムなどの早期実現、普及に積極的な役割を果たすことが期待される」とコメントしている。

2008年~2012年の国内IT市場規模(2008年~2010年は実績値、2011年以降は予測)

出典:IDC Japan 2011年4月

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