2010年の米インターネット広告売上高、前年比15%増の260億ドル:過去最高を更新
2011年4月14日 18:51
オンライン広告の米業界団体インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー(IAB)と米プライスウォーターハウス・クーパース(PwC)が13日に発表した調査結果によると、2010年の米国のインターネット広告売上高は前年比15%増の260億ドルだった。世界不況で02年以来7年ぶりに前年を下回った09年から2桁増に転換し、過去最高を記録。新聞を上回って、テレビに次ぐ第2位の広告媒体となった。
年間のインターネット広告売上高の推移を示すグラフ(単位:10億ドル)
(出典:IAB Internet Advertising Revenue Report)
■タイプ別では検索連動型がトップ
広告タイプ別の売上高は、検索連動型広告が前年比12%増の120億ドルでシェアが46%と、前年に引き続いて1位となった。シェアは、前年の47%からは1ポイント低下した。続く2位はディスプレイ広告で、売上高は同24%増の99億ドル、シェアは38%と前年の35%から3ポイント上昇した。伸び率では検索連動型広告を上回っている。ディスプレイ広告のうち動画は前年比40%増と大幅に伸びた。3位は求人広告で売上高は同15%増の26億ドル、シェアは10%だった。
2009年と2010年の広告タイプ別のシェアを示すグラフ
(出典:IAB Internet Advertising Revenue Report)
2006年~2010年の広告タイプ別のシェアの推移を示すグラフ
(出典:IAB Internet Advertising Revenue Report)
■業種別では小売の出費額がトップ
業種別の広告出費額では、小売(通販、アパレル、飲食店、生活用品、宝飾品など)が1位でシェアが21%、広告額が55億ドルだった。2位は通信(データ通信、電話など)で、シェアは13%、広告額は35億ドルだった。3位は旅行(旅行、ホテル、航空、リゾート)でシェアは7%、広告額が18億ドルだった。
2009年と2010年の業種別のインターネット広告出費額を示すグラフ
(出典:IAB Internet Advertising Revenue Report)
■課金形態は成果型が成長を継続
広告課金形態では、成果型が62%で、前年の59%からシェアが増加。CPMは前年の37%から33%に低下した。成果型は2006年にCPMを上回ってシェアがトップになって以降、シェアの増加を続けている。対照的にCPMは2006年以降、シェアが低下を続けている。
2004年から2010年のインターネット広告課金形態のシェアの推移を示すグラフ
(出典:IAB Internet Advertising Revenue Report)
■新聞を上回り、テレビに次ぐ第2位に
他メディアとの比較では、2010年のインターネット広告は新聞の228億ドルを上回り、全メディア中で286億ドルのテレビに次ぐ第2位となった。
2010年のメディア別の広告売上高を示すグラフ
(出典:IAB Internet Advertising Revenue Report)
■IABのCEOの見解
IABのRandall Rothenberg最高経営責任者(CEO)は声明で「オンライン広告は成長している。今回の結果は、多数の広告主やマーケッターがデジタルメディアを考慮に入れ、キャンペーンの一環として活用することが増えているということを示している。消費者がデジタルメディア、オンラインのテレビ番組や映画の視聴に費やす時間は増えており、広告主はこのメディアを通してターゲットに到達する機会を認識している」と述べている。
■モバイル広告は5.5億~6.5億ドル
2010年のモバイル広告売上高は推計5億5,000万ドル~6億5,000万ドル。モバイル広告の売上高を算出するための集計方法はモバイル広告以外の項目とは異なっている。
■10-12月期は通年を上回る伸び
10-12月期のインターネット広告売上高は74億5,000万ドルで前年同期比19.0%、前期比では15.2%の増加と、通年よりも高い伸びだった。