玄葉大臣は「岩手、宮城の復興と、福島の復興では次元が違う」と「二正面作戦」を言明
2011年4月13日 10:12
【「霞ヶ関発・兜町着」直行便】
「東日本大震災」は発生から1ヶ月を迎え、政府の対応は、人命の救援、救出から生活と町の復興の段階に入った。だがそのあり方について、政府の中でどこがどういう形で担っていくのか、復興のビジョンについての議論が十分とはいえない状態が続いている。菅首相は12日の記者会見で、有識者と専門家、東北各県の知事による「復興構想会議」を立ち上げ、6月までに答申を得て、それをもとに進めていきたいと述べたが、その表情は暗く、声にも力がなかった。一方、玄葉光一郎・国家戦略担当大臣は、出身地である福島を新しいエネルギーの基地にしてはどうかというアイデアを早々と出すなど積極的で、5日の記者会見でも、独自の見解をこう述べた。
【復興構想については】 国家戦略とも絡むので、私から国家戦略室に内々に検討を指示してきたことは事実です。だからといって、私が担うというわけでは決してございませんが、復興構想会議を設けると総理はおっしゃったわけであります。当然、地元の意見をきちんと取り入れることは言うまでもありません。特に所有権の問題が絡みますし、また地方分権、地域主権のこともあります。それらを踏まえた上で、しっかりとした担当大臣が必要なのではないかと。
復興の難しさは、二正面作戦を強いられていることです。規模も阪神・淡路大震災の数倍の震災であり、原発事故は進行中です。プラントの対応も極めて大切だし、同時に住民の安全も極めて大切であるという状況の中で、どういうスピード感で対応するかということも考えると、どうしても岩手、宮城の復興と福島の復興というのは少し次元の違う対応が必要にならざるを得ません。少しというか別次現にならざるを得ないわけで、私の認識では、その復興構想会議で全体をくくって、福島も例えば津波でやられ、地震でやられという地域がありますから、それは同じくくりで議論しなければいけませんが、一方で放射能の問題がございますので、やはり福島に関してはそういった一種特別の会議体のようなものを復興構想会議の下に設ける必要があるのではないかと。そうでないと、復興プランがしっかりとしたものになりにくいと考えてます。
被災地出身の政治家だけに、復興構想について、具体性を有しているのはいいが、全体の構想を論議する前から、地域の特殊性を持ち出すのは、それこそ「しっかりしたものになりにくい」のではないか。原発事故と放射能汚染は、いまや一(いち)福島県というより、日本全体、いや世界的な問題となっているのだから、いま少し広い視野で取り組んで欲しいものだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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