タブレット端末、アップル「iPad」が15年までシェア首位=ガートナー

2011年4月12日 13:22

 米調査会社ガートナーは11日、世界のメディアタブレット(タブレット型端末)市場で、OS別では米アップルの「iPad」に搭載される「iOS」が、米グーグルの「アンドロイド(Android)」などを抑えて2015年までシェア首位を保つとの予想を発表した。

 ガートナーによると、iOSのシェアは2011年が69%、2015年は47%になる見込み。また、グーグルのアンドロイドはOS別のシェアが2011年の20%から2015年には39%に上昇すると予想している。

世界のOS別のメディアタブレット販売台数(単位:1,000台)

OS 2010 2011 2012 2015
iOS 14,766 47,964  68,670 138,497 
シェア(%) 83.9 68.7 63.5 47.1
Android2,502 13,898  26,382  113,457 
シェア(%) 14.2 19.9 24.4 38.6
MeeGo 107 788 1,271 3,057
シェア(%) 0.6 1.1 1.2 1.0
WebOS 0 2,796 4,245 8,886
シェア(%) 0.0 4.0 3.9 3.0
QNX 0 3,901 7,134 29,496
シェア(%) 0.0 5.6 6.6 10.0
その他のOS  234 432 510 700
シェア(%) 1.3 0.6 0.5 0.2
総計17,610 69,780 108,211 294,093 

出典:ガートナー(2011年4月)

 グーグルは、タブレット端末向けの「Honeycomb」(Android 3.0)のソースコードを当面は公開しない姿勢を取っているが、これについてガートナーの主席アナリストRoberta Cozza氏は「グーグルがHoneycombで導入した新しいライセンスモデルによって、グーグルはよりコントロール能力を強め、ユーザー体験の品質に妥協していない最適化されたタブレットだけが許されることになる。これによって、スマートフォン市場で見られたよりも遅いペースで価格の低下が進むことになる可能性がある」と指摘している。

 ガートナーは、タブレット端末はパソコンと形状が違うだけで、同じタスクを行うというものではなく、コンテンツの利用に関してよりリッチなユーザー体験を提供するものだと説明。同社のリサーチ・バイス・プレジデント、Carolina Milanesi氏は、アップル以外のベンダーがアプリケーション、サービスなどを組み合わせた総合的なユーザー体験よりもハードウェアの機能を優先するというミスを犯していると指摘している。

 同社はまた、「MeeGo」や「WebOS」など、現在のスマートフォン市場で存在感が弱いプラットフォームはビジネス規模を拡大しなければ、魅力に欠けると指摘。ガートナーのリサーチ・バイス・プレジデント、Carolina Milanesi氏は、「スマートフォンのユーザーは、所有しているスマートフォンのOSと同じOSで動作するタブレットを購入したがるだろう。デバイス間でアプリケーションを共有でき、インターフェース面でも親しみやすさを覚えやすいからだ」「一部のユーザーは、購入の決定をする時に、ブランドよりもOSを重視する可能性がある。ユーザービリティとブランド認知の改善が最大の差別化要因となる」と述べている。

 ガートナーの定義によると、「メディアタブレット」は、メディアの利用を第一目的としたタッチスクリーンディスプレイ(一般的にはマルチタッチのインターフェースを有する)を搭載したデバイス。ディスプレイのサイズは、およそ5インチ~15インチで、「Windows」のような機能制限を持たない伝統的なPC向けOSではなく、「Android」「iOS」のような制限のある軽量OS上で動作するものとしている。

 ガートナーは、スマートフォンについては、11年末までにはグーグルのOS「アンドロイド(Android)」がシェアで首位となり、12年末には49%のシェアを占めると予想している(関連記事)。

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