木星探査機「ジュノー」、ケネディ宇宙センターに到着
2011年4月11日 10:15
今年夏の打ち上げに向けて、米航空宇宙局(NASA)の新しい木星探査機「ジュノー(Juno)」がケネディ宇宙センター(KSC)に到着した。
「ジュノー」を載せたアメリカ空軍のC-17輸送機は4月8日、開発を担当しているロッキード・マーチン・スペースシステム社が位置するコロラド州を出発し、フロリダ州に到着した。
「2003年のプロジェクト構想から、ジュノーとチームはここまで来ました。木星だけでなく、太陽系がどうようにして生まれたのかを発見するミッションまで、残り数ヶ月間となりました」
「ジュノー」のKSC到着を受け、実験責任者であるスコット・ボルトン(Scott Bolton)氏はこのように述べた。
今後、「ジュノー」はケネディ宇宙センターのペイロード組立施設へと運ばれ、スピン・バランス、耐熱などの機能試験を行い、フライトソフトウェアを更新し、ミッション準備試験などが行われる。
「ジュノー」の打ち上げは現在2011年8月5日に予定されており、5年後の2016年に木星に到達する予定。9つの観測センサーを搭載し、木星を周回しながら固体核の有無や大気深層部における水やアンモニアの有無の調査、磁場の分布図作成などを行うことになっている。
木星の深部を探ることで、太陽系形成に必要だった条件やメカニズムに迫ることができ、また、数多く発見されている系外惑星を理解する上でも鍵となる情報が引き出されるものと期待されている。
なお、これまで木星以遠の探査では原子力電池が用いられてきたが、「ジュノー」は大型の太陽電池を用いる。この点も斬新であり、かつ工学的挑戦でもある。
■NASA's Jupiter-Bound Spacecraft Arrives in Florida
http://www.nasa.gov/mission_pages/juno/news/juno20110408.html
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