東日本大震災・原発事故での2つの心配と新しい取り組み:妻と夫の株ロマン

2011年4月4日 17:35

【妻と夫の株ロマン・時々の話題を夫婦の会話でお届けします】

  【妻】 東日本大震災怖かったですね。被災された方、お亡くなりになった方には本当にお気の毒です。お見舞いと、お悔やみを申し上げます。日本は地震列島の上にあるのだと、改めて、思い知らされました。

  【夫】 地震に津波、しかも原子力発電所の放射能漏れまで加わった。今、われわれ日本人は、たいへんな試練に見舞われている。だけど、あの戦後を生き抜いて、繁栄させてきたのだから一致団結で乗り越えられると思う。

  【妻】 わたしたちは歳ですから、お役に立てません。だけど、若いひとたちの言葉や行動は、すばらしいです。身の危険を承知で救助に当られている皆様にも頭が下がります。日本人のすばらしい心が感じられて涙が出ます。平和ボケして、だめな国民になったのかと思っていましたけど、「大和魂」は健在です。被災は大変なことですが、日本人の良さが健在だったことは救われます。

  【夫】 そうだね。若いみなさんの、しっかりした言動は立派だと思う。間違いなく日本は立ち直ることができると思う。ただ、これだけの大きい震災だから、これまでとは違う、新しい国の有り様を考えるべきだと思う。今までと同じものでは、「災い転じて福となす」ことはできない。

  【妻】 津波に強い地域作りですね。

  【夫】 もちろん、それもある。同時に日本列島全体、日本社会全体を見直すことが必要だと思う。すぐにも取組まなくてはいけない「短期」的なことと、議論して取組まなくてはいけない「中長期」的なことがあると思う。真っ先にやらなくえはいけないことは、被災者の方々の住居と電気、ガス、水道の備わった日々の暮らしができるようにすることだ。もちろん、すでに、動き出していけるけど。それに、原子炉の放射漏れを収束させることだ。これが終わらないと本格的な復旧には手がつかない。桃子の今度の大震災で、「大変」と思ったことはどんなことだった?

 【妻】 携帯電話が繋がらなかったことです。あなたと連絡が取れないし、子供たちとも、まったく連絡がつきませんでした。

  【夫】 僕は、地震の夜は、電車が動かないから会社に泊まった。近くのコンビニではパン、牛乳は空っぽ。24時間営業のファミレスで朝まで過ごそうと思ったけど無理だった。営業時間は早々と切り上げだった。次の日は、停電で電車が止まるという情報で、多くの人が早めの帰宅で駅は超満員、ひと駅進むのに30分、着いた駅で、さらに長い時間待たされる。都会は震災に弱いとつくづく感じた。

  【妻】 中長期的に取組むことは、どのようなことですか。

  【夫】 たくさんあると思う。順不同で言えば、「電力不足問題と原子力問題」、「多発する自然災害問題」、「東京一極集中の問題」、「日本の生産基地の問題」、「景気・企業業績の問題」、「財政悪化問題」、「金融不安問題」など幅広い。

  【妻】 わたしなりに考えると、「エネルギー問題」と、「都会と地方の問題」のように思われます。

  【夫】 そうだね。エネルギーは非常に大きい問題だ。今度のことで原子力を増やすことは難しいだろう。火力、水力、風力、太陽光などで、どのていどカバーできるのか。早くも、足元では、今年夏場は1000万キロワットの電力が不足するといわれている。さらに、先行き、万年、電力不足が予想されることに対し、豊かさに慣れた我々がガマンの生活ができるかどうか。生活スタイルを根本から、思い切って見直さなくてはいけないだろう。僕たちが小さいころのような、ローソクで育った状態になる、とは言わないけど、夜の街は早くから暗くなるなど生活スタイルは変わる可能性がある。それに、今度の原子力問題で心配なことがある。

  【妻】 なんですか。

  【夫】 言ってはいけないことかもしれない。しかし、用心しなくてはいけないことが2つある。1つは、今度の「原子力漏れ」は、テロリストにヒントを与えてしまったことだ。日本には50基くらいの原子力発電所がある。ここが攻撃されたら大変なことだ。アメリカ、旧ソ連のような発電所事故と違って、日本は国土が狭いから逃げるところがない狭い。日本が原子力事故に弱いことを露呈した。国土の狭い日本に原子力発電所がこんなに多くさんあってよいのかということも考えなくてはいけない。

  【妻】 怖い話ね。もっとアメリカと仲良くして防衛には力を入れなくてはいけませんね。もうひとつの心配はなんですか。

  【夫】 今度の電力不足で、「計画停電」という言葉が使われていることだ。「計画」という言葉は、資本主義と相反するものだ。短期的には仕方がないけど、国民が、「計画」に慣れ親しんでしまうと、「計画生産」、「計画供給」など、共産主義的な体制に近づいて行く心配がある。

  【妻】 どうすればよいの。

  【夫】 たとえば、これまで、日本が採ってきた、全国均一型の『金太郎飴』主義を変えることだろう。これまでは、東京発の全国均一主義で、安定した製品を作り出すことで成長を遂げることができた。しかし、今度の大震災で分かったように、地域によって、震災の内容も被害の大きさもまったく違う。全国均一型の防災ではだめだろう。地域に対応したものだったら、今度の原子力発電所事故も防げたかもしれない。「想定外」という言葉で片付けられてはたまらない。

  【妻】 地域主権ということですか。

  【夫】 そうだね。いつも言っている、「道州制」を導入する、よいチャンスだと思う。1つ1つの県では限界でも、「州」単位でまとまれば災害対策は力強いものになる。たとえば、「東北州」で、東北地域に合った災害対策を実施するればいい。リアス式海岸が多く、ほかの地域とは違うのだから、国から一括して予算をもらい、使い方は東北州に任せる。そういうところに来ていると思う。

  【妻】 たしかに、そうですね。いま、首都に大地震が来たら大変ですね。大パニックになります。太平洋戦争に負け東京が焼けたときは、地方がまだ元気でした。今は地方に元気がありませんから、日本全体が沈没する心配がありますね。

  【夫】 そのために、「首都移転」とまでは言わないけど、「道州制」は早く実現して日本全体の生産基盤、人口配分などを見直すべきだ。災害に遭われた方々の犠牲を明日の活力ある日本のために生かしてほしい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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