SNS社、初のロケット打ち上げ実験を実施
2011年3月28日 10:45
SNS株式会社は3月26日7時30分、北海道広尾郡大樹町にて、同社の液体燃料ロケット「はるいちばん」の初の打ち上げ実験を実施した。
今回の打ち上げはもともと3月12日に予定されていたが、前日に起きた東北地方太平洋沖地震の影響で延期されていた。
打ち上げられたロケットは順調に飛行し、2.4秒間の燃焼後、設定高度500mに近い461mまで上昇し、2段階分離パラシュートを展開し、無事回収されたという。
パラシュートでの着地後に、HASTICの伊藤献一氏(北大名誉教授)から「大成功」のアナウンスがあり、カムイロケットの開発を行っている永田晴紀氏(北大大学院教授)からも、「素晴しい打上げ、液体燃料ロケットとしては世界最小クラスのロケットではないか」との声が出ていた。
また、今回の打ち上げ実験について、SNS社のファウンダー堀江貴文氏は記者会見で以下のように述べている。
「思った以上に結果が良かったです。ちゃんと地上燃焼試験を何回もやって実証データを積み重ねたら、きちんと出来るんだという事は凄く大事な事だと思っています」
「震災後、こんなに早く打ち上げできたのも、大樹町のみなさん及び役場の方々、消防・警察の方々に凄くお世話になって、快くOKを出して頂き、それで出来た事は幸せな事と思います」
「開発から打上げまでは長かったです。変なトラブルが多かったが、経験としては無駄ではなかったです。一番困ったのは実験場で、北海道の植松電機に開発拠点を移してからは開発スピードが上がりました」
SNS社は2003年に設立され、アルコール(エタノール)と液体酸素の組合せを推進剤とする小型液体ロケットを開発している。2007年に千葉県でロケットエンジンの開発と試験を進めていたが、試験規模の拡大により、2009年春にCAMUI型ハイブリッドロケットの研究開発で知られている株式会社植松電機の協力を得て、開発拠点を北海道に移していた。
大樹町での地上打ち上げ実験は冬季間のみ可能なため、今回のチャンスを逃せば、実験は次の冬まで延期しなければならなかった。
■SNS 100kgf級ロケット「はるいちばん」 大樹町打ち上げ実験成功しました
http://www.snskk.com/archives/50688666.html
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