【読者と一問一答】復興関連銘柄の今後はどう見ればいい?

2011年3月26日 16:36

  【問い】 復興関連銘柄が買われています。いつまで続くのでしょうか。復興関連銘柄の今後をどのようにみておけばよいでしょうか。

  【答え】 1995年1月に発生した「阪神淡路大震災」が参考になります。被害発生→倒壊物の撤去→ライフライン復旧→仮設住宅の建設→交通・通信網の復旧整備→公共施設・オフィス・工場・商店・住宅等の建設→家電製品、家具、工場機械の購入→自動車等の購入、といった流れの中で復興が進んでいきます。「復興関連銘柄」は、ほぼ、こうした同じような流れの中で買われます。

  今度の東日本大震災では、早い所では、ライフラインの復旧が進み、仮設住宅の建設も始まっています。しかし、被害が広範囲に及んでいることから、全体としては、まだ倒壊した建造物の撤去が進んでいない状況です。この観点では、復興関連株はまだこれから買われる動きといえるでしょう。とくに、今回は原子力発電所の放射能問題も絡んでいます。この展開次第によっては、阪神淡路大震災とは違ったものになります。

  ただ、短期的には、現在の復興関連銘柄相場は、さすがに自動車株までは買っていないものの、復興後を期待した家電品関連まで、ひとわたり買い上がった動きです。

  株価は、常に、先を読んで動きますから、こうした、「先回り買い」は当然でしょう。ただ、阪神淡路大震災の時に比べると、関連銘柄を物色し、買い上がる速度はかなり速いようです。

  注意すべきは、こうした復興関連銘柄にも、これから3月期決算の発表が控えています。当然、発表される11年3月期には復興特需は含まれていません。しかも、12年3月期について、今の段階で、復興特需を期待して大きい数字を言うことは、やや、不謹慎なところがあるでしょうから、5月の決算発表では12年3月期予想は慎重な数字が予想されます。とくに、復興関連銘柄以外のところで、産業活動の停滞で企業業績を悪化させる可能性があることは注意が必要です。

  つまり、(1)復興関連銘柄買いのスピードが速い、(2)3月期決算発表が控えている、ことから、復興関連銘柄の「第一幕相場」は終わりかけているのではないでしょうか。では、第二幕はいつか、ということです。恐らく、5月連休あたりから復興に向けてのツチ音が本格的に高まると予想されます。その実績が早ければ、第1四半期(4~6月)で出てくるでしょう。第1四半期決算の発表の本格化する7月頃から「第二幕」が始まるのではないでしょうか。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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