住友電工、新型蓄電池を開発:価格がリチウムイオンの10分の1

2011年3月4日 17:45

 住友電気工業は4日、リチウムイオン電池の代替となる新型蓄電池の開発に成功したと発表した。リチウムイオン電池と比較して価格が約10分の1になるほか、小型化しやすい特性があるという。

 同社によると、新型電池では電池の電解液として優れた特性を持つ溶融塩(NaFSAとKFSAの混合物)を新開発したことや独自の部品材料を採用することで、高エネルギー密度で高出力の二次電池を実現した。

 また、不燃性材料のみで構成されているため、地震や事故などの衝撃により外部から空気が混入しても発火することがないという。稼働温度領域も57℃~190℃と他の電池と比べて広いため、排熱のためのスペースや防火・防爆装置が不要となり、電池を高密度に配置することができる。同社の試算によると、同じ容量の組電池の場合、リチウムイオン電池の約1/2、ナトリウム硫黄電池の約1/4の体積が実現できるという。

 コスト面では既存のリチウムイオン電池の10分の1程度となる2万円/kWhが視野に入りつつあるとしている。今後は、中規模電力網や家庭などでの電力貯蔵用途、トラックやバスなどの車載用途での実用化に向けて、電池の評価・改良を重ねていくという。

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