BRICsの安全牌はブラジルだけ!=犬丸正寛

2011年2月23日 19:33

  『BRICsの安全牌はブラジル』――。こんな見方が出ている。言うまでもなくBRICsとはブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字で経済発展の目立つ国々。これらの国に、中東産油国も加えて日本の主たる得意先である。BRICsは2005~06年頃から言われ出し、とくに、中国の2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博に関連した社会整備投資で一気に燃え上がった感がある。

  ところが、最近は様子がおかしくなってきた。『経済が発展して豊かになれば堕落が始まる』の教えもあるとおり、世界の先端を走ってきたヨーロッパが財政悪化でおかしくなり、今、中東が社会不安を起こしている。経済発展の一方で生活格差が目立ち、物価高の目立ってきた中国も油断ができない状況に置かれている。人口が多いだけにたいへん厄介だ。

  見渡すと、日本のお得意さんがそろってガタついている印象だ。もちろん、領土問題で強行姿勢のロシアとも本気でビジネスに取り組むわけにもいかなくなっている。

  これまでマーケットを引っ張って来た、「BRICsは、もはやマーケットでのテーマではなくなりつつある。とくに、民主主義体制でないところのリスクは高い」(中堅証券)。そこで、BRICsの中で登場するのが「B」のブラジルということだ。日本からの移民も多く親日的で安心感がある。これからは、しばらく、残されたBRICsの中の「ブラジル関連銘柄」探しに熱が入るということのようだ。

  また、(1)中東も民主化が進めばマーケットとして有望、(2)日本人と気質の似ているベトナムにも注目できる、(3)不振のヨーロッパでもドイツは別格で、勤勉な国は生き残れる。世界が不安定となればドイツ同様、勤勉な日本の優位性が発揮できる。これから、日本の時代ではないか。といった見方も出始めている。もちろん、アメリカとの同盟関係を強固したうえで民主主義、資本主義のプレーヤーとしてイチロー、マツイ、ナガトモのような活躍を期待するということだ。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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