現代を生き抜くためのノウハウ満載!中小企業IT活用実践手法 :第3回 IT化を失敗させないための経営戦略策定方法
2011年2月21日 18:36
■IT化を失敗させないため経営戦略策定方法とは?
中小企業のIT化を失敗させないため経営戦略策定方法とはどのような事を意味するのでしょうか?
あまり複雑に考えると手が出せないと考えがちになると思いますが、今の段階では3年~5年程度先を見据えた企業の方向性を掴む“経営戦略”ととらえるとわかりやすいと思います。
通常、この“経営戦略”は中長期戦略、または事業計画ともいわれます。
リーマンショック以降の景気低迷の時代、資金繰りの悪化などから目先の成果を求める短期的な活動をおこないがちです。
しかし、じっくりと行動を起こす前に“経営戦略”を策定し1年ごとの具体的な実行計画を策定し、PDCA(計画:plan、実行:do、評価:check、改善:act)サイクルを回すことが皆様の企業を継続的に存続と成長させるためのセオリーです。
その企業の存続と成長のセオリーとしてやらなければならないこととして経営者のリーダーシップの元にあるべき姿となるビジョンを見直します。
ビジョンとは3年~5年程度先の到達目標(定量的である売上や利益などの目標と定性的な社長の思いなど)の設定のことを指します。このビジョンを再設定することで中長期の目的が明確化されます。
次に、あるべき姿のビジョンを最上位の目的としながら、現在の姿は果たしてどうだろうか?ということを客観的に考えます。その際には経営者と経営幹部、従業員とともに一緒に検討することが重要です。
通常、あるべき姿と現状の姿には必ず多くのギャップがあります。これらのギャップは経営課題と言われ、あるべき姿と現在の姿との間にあるギャップが顕在化したものです。
そこで、この経営課題のギャップを解決するために経営資源であるヒト、モノ、カネを最大に有効活用し、迅速に解決する具体的な実行計画(アクションプランともいう)を策定する必要があります。
ところが、現代社会では先のヒト、モノ、カネの3つの経営資源に情報をプラスして経営戦略を実行する必要が出てきました。
■ITを活用できる中小企業とそうでない企業との経営力や競争力の差が増大!
情報、つまりITは既に身の回りに多くのツールやコミュニケーションを取るインフラが構築されてきています。最近ではこのITを活用し経営戦略を実行できる中小企業とそうでない企業との経営力や競争力の差がどんどん広がってきています。
無論、ITを利用できるからだけでなく、企業を取り巻く世の中の環境に応じて、企業の強みを発揮できるような実行計画を策定しているかが重要になります。
そこで、客観的に現在の姿を分析する際、SWOT(スウォット)分析という手法を活用します。その際、自社の強みと弱みは何か?また自社を取り巻く市場や業界にはどのような機会と脅威があるかを分析します。
強みと弱みは、経営資源やノウハウ等の内部環境から明らかにします。機会と脅威は、社会・市場、競合関係等の外部環境から明らかにして分析を行います。その後、経営課題を解決するため具体的な実行計画を策定するためにSWOTクロス分析という手法を行います。
ここでは、中小企業の皆様の場合、最も重要なのが外部環境の機会に対して自社の強みを最大限に活かすことのできる実行計画の方向性を見つけることです。
特に中小企業の皆様は自社の弱みや外部の脅威を重点にして経営課題解決のための実行計画を策定してしまうと、それだけで経営資源の多くを浪費し、多大な時間を費やしてしまいます。その内に競合企業がどんどん先を行ってしまいます。
それ以上に重要なことは先にお話した通り、外部環境の機会に対して自社の強みを最大限に活かすことです。そして、この出来上がった実行計画の骨子をもとにIT導入と活用方法も同時に検討します。
では、次回は『経営戦略を中核にしたIT戦略策定方法』についてお話していきましょう。是非、お楽しみに!!