世界のスマートフォン出荷、10年は74%増の3億台 アンドロイドが牽引
2011年2月8日 14:58
米調査会社IDCは7日、2010年の世界のスマートフォン出荷台数が前年比74.4%増の3億260万台になったという調査結果を発表した。米グーグルのOS「アンドロイド(Android)」搭載機の増加が市場の拡大を牽引したという。
IDCの携帯電話テクノロジー・トレンドチームのシニア・リサーチ・アナリストであるRamon Llamas氏は「アンドロイドが引き続き急激に数字を伸ばしたことがスマートフォン市場を牽引した」「アンドロイドは、多数のベンダーのスマートフォン戦略の土台となってきており、これまで市場首位だったシンビアン(Symbian)の競合としての存在感を急速に高めている。シンビアンはノキアの支持を受けているが、アンドロイドはHTC、LG電子、モトローラ、サムスンなどのほか、開発デバイスにアンドロイドを採用する多数の企業を抱えている」と述べている。
2010年のベンダー別の出荷台数のトップ3は、1位がフィンランドのノキアで前年比48.2%増の1億30万台(シェア33.1%)、2位がカナダのリサーチ・イン・モーションで同41.4%増の4,880万台(シェア16.1%)、3位が米アップルで同89.2%増の4,750万台(シェア15.7%)だった。4、5位は韓国のサムスン電子が同318.2%増の2,300万台(シェア7.6%)、台湾のHTCが165.4%増の2,150万台(シェア7.1%)と、いずれも急激に出荷台数を伸ばしている。
同時に発表した10年10-12月期のスマートフォン出荷台数は前年同期比87.2%増の1億90万台だった。ベンダー別では、1位がノキアで2,830万台だがシェアは10年通期を下回る28.3%となった。アップルは出荷台数が1,620万台、シェア16.2%で、リサーチ・イン・モーションの1,460万台を上回り第2位となっている。また、サムスンとHTCのシェアがそれぞれ9.6%、8.6%と、上位ベンダーとの差を縮めつつある傾向がうかがえる。
IDCによると、2011年のスマートフォン市場は、ベンダーが商品の品質やラインアップを強化することでさらに伸長する見込み。Llamas氏は「ここ数年は市場のハイエンドがスマートフォン市場の成長に重要だった」「IDCは、ベンダーが今後、マスマーケット向けにより低価格の中下位機種を投入すると予想している。ハイエンド機種に関しても価格は低下するだろう。この結果、ユーザーの選択肢は広まり、競合がより激化すると見られる」と説明している。
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