低価格帯化粧品が活況、「肌研」が新シリーズ、新規参入ブランドも

2011年2月7日 11:00

 2,000円以下の"低価格帯商品"と5,000円以上の"高価格帯商品"の二極化が進む国内の化粧品市場。そのあおりで、従来はボリュームゾーンであった2,000円から5,000円の"中価格帯商品"市場の落ち込みが目立つ。きっかけを作ったといわれているのが、化粧水市場でNo.1(インテージ調べ、ドラッグストア・CVS・ホームセンター・スーパー、個数ベース)の売り上げを誇るロート製薬 <4527> の「肌研(ハダラボ)」だ。同ブランドは、90%以上の認知率(ロート製薬調べ、n=300)を誇り、スキンケア市場で確固たる地位を築いている。製薬会社の研究・開発力や独自のマーケティング力をベースに多数のアイテムをラインナップし、国内における販売額は100億円以上。また現在は、アジア各国でグローバルな展開も行っている。

 その「肌研」に対抗するため、昨年末に大手化粧品メーカーの資生堂 <4911> から「専科」が、今年に入ってからはカネボウ化粧品が「潤(うるり)」を発売。また、中価格帯商品を扱うメーカーの間では、低価格帯商品への消費者の移行を防ぐため値下げに踏み切る動きもある。それが中価格帯商品の売り上げの落ち込みを防ぐカンフル剤となるのか、それとも市場全体において低価格帯商品への移行が続くのか、今後の動きに注目が集まる。

 そんな中、「肌研」ブランドは、2月3日に2つの新シリーズを同時発売した。3種類のヒアルロン酸を配合した「ヒアルロンUV」シリーズは、UVカットと化粧下地、保湿の3つの効果を一つにした、"スキンケア発想"の日焼け止めシリーズ。「使用している化粧水と同じブランドの日焼け止めを使用したい」という女性のニーズに応えた商品だ。もう一つは、2010年の市場が前年比186%と急激な成長をみせ、女性の認知率も80%を超える「BBクリーム」だ。「肌研ヒアルロンBB」シリーズは、美容液とUVカット、化粧下地にファンデーションの4つの機能がこれ1本で補え、ベースメイクが簡単になる。クリームタイプと乳液タイプの2種類から使用感の好みに応じて選ぶことができ、日本人の肌色に合わせた色味と肌に負担をかけない快適な使用感にこだわった。2シリーズとも「忙しい朝に時間を節約したい」という女性のニーズに応えた商品であり、低刺激・無香料など肌へのやさしさに徹底的にこだわった処方となっている。「極潤」シリーズや「es」シリーズといった既存のシリーズに新たに2つのシリーズを加え、同ブランドはラインナップをさらに拡充させたことになる。

 低価格帯化粧品市場に新規参入した大手メーカーのブランドが今後、どういった評価を受けるのか。「肌研」の牙城を崩すことができるのか。今後のボリュームゾーンとなる価格帯は。市場全体の動きも含めて注目していきたい。

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