マーズ・エクスプレス撮影、火星の衛星フォボス

2011年1月25日 10:00

 欧州宇宙機関(ESA)は1月21日、火星探査機「マーズ・エクスプレス(MEX)」によって撮影された、火星の衛星フォボスの写真を公開した。

 この写真は1月9日、「マーズ・エクスプレス」がフォボスに接近した際に、高解像度ステレオカメラ(HRSC)によって撮影されたもので、フォボスまでの距離は約100km、解像度は1ピクセルあたり約8.8m。写真からはフォボスの歪な形や、表面に存在している大小のクレーターや溝も確認できる。

 「マーズ・エクスプレス」によるフォボスへの接近(フライバイ)は昨年3月以来、約1年ぶり。

 フォボスは火星の最も大きい衛星だが、長い部分の直径で27km程度しかないため、火星の重力に捕捉された小惑星だと考えられている。また、フォボスは太陽系で最も主星に近い衛星で、火星に表面からわずか6000kmを周回している。そのため、フォボスは潮汐力によって常に火星の方に引っ張られていて、5000万年以内に、破砕されて火星の輪になるか、火星表面に激突すると考えられている。

 ■Mars Express Close Flybys of the Martian Moon Phobos 2011
http://webservices.esa.int/blog/post/7/1317

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