世銀の世界経済見通し、11年は3.3%成長 日本は1.8%

2011年1月13日 18:07

 世界銀行は12日、2011年の世界経済の実質成長率が3.3%になるとの見通しを発表した。日本については、11年が1.8%、12年が2.0%の成長を予想しており、11年の予想は、昨年6月の予想から0.3ポイントの下方修正となる。

 世銀の副総裁兼チーフ・エコノミスト、林毅夫氏は「明るい面では、発展途上国の内需の強い拡大が世界経済を牽引している。しかし、一部の高所得国の根強い金融部門の問題が、依然として成長の脅威となっており、緊急な政治的対策が必要だ」と述べている。

 世銀によると、発展途上国の2010年の成長率は7%で、11年は6%となる見込みであるのに対し、先進国は10年が2.8%、11年が2.4%の見込み。

 高成長が見込まれる発展途上国だが、世銀は短期的なリスクとして、欧州の金融市場の緊張、大規模で不安定な資本の流れ、食料価格の高騰の3つがあることを指摘している。

 また、長期的には、短期的な危機管理から以下のような構造的な課題への対策に焦点を移していく必要があるとしている。
・金融の安定性を回復するための信頼性のある計画を実施すること
・幅広い需要刺激策から、離職者の再雇用を促進する財政政策に力点を移していくこと
・金融部門の再規制を完了させること
・ファンダメンタルズと一致するように為替レートを徐々に調整する政策を追求すること
・信頼性を持続するため、主要な準備通貨の変動性を低下させること

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