太陽観測衛星「ひので」、金環日食を撮影

2011年1月7日 10:15

 国立天文台と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月6日、太陽観測衛星「ひので」によって撮影した金環日食の画像などを公開した。

 この画像は2011年1月4日18時16分に撮影されたもので、月が太陽を隠す姿が捉えられている。今回の日食は地上からでは部分日食しか観測できなかったが、「ひので」は軌道上でタイミングよく、月が太陽をほぼ隠す金環日食の撮影に成功した。「ひので」は2007年3月にも皆既日食を観測し、国立天文台によると、5年間のミッション期間中に両方を観測できたのはたいへん珍しいことだという。

 日食は地球、月、太陽が一直線に並び、月によって太陽の一部(または全部)が隠される天体現象である。太陽が全部隠れる時は「皆既日食」、一部隠れる時は「部分日食」と呼ばれ、月の周りから太陽がはみ出して見える時は「金環日食」と呼ばれている。皆既日食と金環日食の違いは月の位置によって決まり、月が地球に近い時に皆既日食、少し離れている時に金環日食となる。

 なお、日本で見られる次の中心食(皆既日食と金環日食の総称)は2012年5月21日の金環日食。九州地方の一部、四国地方の一部、近畿地方南部、中部地方南部、東海地方の大部分、関東地域の大部分などが日食帯に入るため、日本列島の広い範囲にわって観測できる。特に東京、大阪、名古屋なども日食帯の中心に入っているため、大都市で金環日食を観測できる珍しい機会となる。

 ■「ひので」が見た金環日食
http://hinode.nao.ac.jp/news/110104AnnularEclipse/

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