最大の政策は失業対策、一刻も早く道州制を=妻と夫の株ロマン
2011年1月3日 12:17
【妻と夫の株ロマン・時々の話題を夫婦の会話でお届けします】
【妻】 新年、おめでとうございます。
【夫】 おめでとう。
【妻】 今年は、『卯』年ですから、マーケットは、元気よく跳ねるかしら。
【夫】 一度くらいは跳ねると思う。それも、前半だろうね。
【妻】 なぜですか。後半は期待できないのですか。
【夫】 後半がまったくダメということではない。後半が大きい天井になるということでもない。深追いしないで、慎重運転がよいと思っている。日経平均は、リーマンショックの2008年10月に2000年以降の安値となる6994円をつけている。そこから数えて、2010年10月は3年目に当たっている。ここ数年は、相場は3年サイクルで動いているから、今年の後半は大きなフシ目になると思っているんだ。
【妻】 『大回り3年』ですね。軽視はできませんね。
【夫】 後半、もうひとつ、気をつけておきたいことがある。2012~2013年の「干支」(エト)が気になる。
【妻】 なんでしたか。
【夫】 2012年が「辰」年、2013年は「巳」年。過去、このどちらかの年で相場が「大きな天井」となっていることが多い。聞いたことは、あると思うけど、『辰巳天井』といわれる。日頃、こういった教えを信じない人でも、『辰巳天井』だけは、多くの投資家が信じる。
【妻】 でも、「辰巳天井」を信じるとしても、2012~13年でしょ。2011年後半が天井ということにはならないでしょ。
【夫】 そうだね。日経平均の高値は2012年かもしれない。しかし、「銘柄が入れ替わる」可能性はあると思っている。09~10年に買われたような新興国関連の資源に関連した銘柄は頭を打つような気がしている。代わって、日本を代表するような電気株などが動くのではないかと思っている。08年のリーマンショック後から、買われてきた銘柄は3年目のフシを迎える。次は、アメリカ景気の本格上昇を手がかりに、同じ輸出株でも新興国型ではなく、先進国型が中心となるように思う。その結果、日経平均は2012年にピークを迎える可能性があると思う。
【妻】 もう一方の個人投資家の皆さんに、馴染みの深い内需関連銘柄はどうですか。
【夫】 依然、厳しいだろうね。昨年の日本の人口は自然減が初めて10万人を超えたと報じられている。いよいよ、日本は本格的な人口減少時代に突入した。国内の、ほとんどすべての商品は、数量減少に見舞われ、しかも、高齢化で1人当りの消費量も減る。「今のままでは」、国内が元気となることは期待できないだろう。
【妻】 失業も解決は難しいということですか。
【夫】 まったくだ。「今のままの」政権政策では難しいだろうね。今の政権は組合的な臭いがして仕方がない。春闘の、「100円玉闘争」を見ているようだ。組合全員に平等にという発想が強いから、バラマキ的といわれるのだと思う。それに、組合員は都会中心だから、今の政権には都会のことしか頭になく、地方をどうテコ入れしたらよいか、分からないのだと思うよ。しかも、現政権の誕生した当初は、円高は組合員に物価が下がってプラスになるということだった。「そんなに円高が好きなら、円高にして上げよう」、ということになって、海外から円高攻勢を受けてしまったと、皮肉られている。円高の結果、物作り企業は生産を海外へ移転した。そのため、国内の失業がますます悪くなっている。
【妻】 子供手当てを増やしても雇用は確保できないわけね。
【夫】 そうだね。家計は人を増やすことができない。人を雇えるのは企業か、あるいは政府が公務員を増やすしかない。もちろん、企業だけが「儲け過ぎる」、ことはよくない。しかし、企業の活力を奪うことは、もっと、よくない。
【妻】 円安にすれば、失業問題は改善されるの。
【夫】 円安なら、これ以上の生産の海外移転にはブレーキがかかる効果はあるだろう。しかし、円安によって、日本国内に活力が戻るかどうかは不透明だ。今の日本は自信を失っている。
【妻】 どうして。松井選手、イチローさんもアメリカで活躍しているじゃないの。日本人の力は立派ですわ。
【夫】 そうなんだ。野球の話に置き換えると分かりやすい。松井選手、イトロー選手は優秀だけど、日本ではなく海外に活躍の場を求めているところがポイントだ。以前は、野球といえばジャイアンツだった。テレビを点ければ野球放送はジャイアンツと決まっていた。子供たちも、ジャイアンツの野球帽子を被って自慢していたものだ。今はジャイアンツの帽子を被っている子供は、ほとんど見なくなった。テレビでもジャイアンツの試合放映は、お目にかかれなくなった。
【妻】 何が、言いたいわけ。
【夫】 『巨人軍-大鵬―卵焼き』方式がなくなった。東京発の全国均一型のモデルが通用しなくなった。しかも、東京がコケタら、全国みんなコケた、というのが今の日本の姿だと思う。つまり、東京一極集中の弊害が、今の日本には出ていると思う。今、若い人の失業が多いのは東京だし、若い人の犯罪も多い。また、経済復興時代に東京へ出てきたひとたちも高齢化の波が押し寄せている。孤独な高齢者が増えているのも東京が目立つ。
【妻】 つまり、地方を、もっと元気にしなくてはいけないということですか。
【夫】 そうだね。その前に、まず、東京にいればなんとかなる、という考えを早く変えなくてはいけない。今は、東京にいても、なんともならない、あるいはなり難い時代になっている。しかし、今のまま、地方に移っても、いいことはない。だから、政府が地方の元気がでるような仕組みを作らなくてはいけない。戦後は、田舎から東京へ人口を移動させることで経済成長に結びつけた。今度は、逆に、地方へ人が流れる仕組みを作らなければいけない。
【妻】 たとえば。
【夫】 極端な話だけど、東京の住民税を高くして地方は安くするとか。あるいは、言われている「道州制」を早く実現する。一つ一つの府県では力が乏しくても、一つの「州」にまとめることで、知恵も工夫も生まれる。昨年の山陰の「ゲゲゲ」ブームもそうだろう。寿スピリッツ<2222>という、お菓子屋さんがあるけど、京セラの稲盛式「アメーバ経営」を取り入れて、地方のお菓子のファンつくりを行って、全国的に売れるお菓子に育て上げている。今は、地方だって、ネットがあるし、配送もしっかりしているから全国的に売れる。「州」ごとのアメーバ式経営は、ひとつのやり方だと思う。地方が元気になれば、移り住む人もふえる。失業問題も改善される。一刻も早く、「道州制」は実現したらよいと思う。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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