教育現場・子どもたちへ、企業が行う支援

2010年12月27日 11:00

 いじめ問題や少子化など、さまざまな問題を抱えている日本の教育現場。政府も教育改革の方針を打ち出してはいるものの、行政による取組みだけでは不十分と言わざるを得ないのが現状だ。そのような中、最近では、社会貢献活動の一貫として、教育現場や未来を担う子ども達への支援を行う企業が増えてきているようだ。

 化学や住宅、医薬品など幅広い事業を行う旭化成は、子ども達の「理科離れ」を懸念し、1999年に宮崎県延岡市で「出前授業」を開始した。これは、同社を中心に、地元企業の人材や素材を学校教育に活用するというもの。今後は、延岡市の活動をモデルに、他地域でも実施する予定だという。

 一方、韓国の大手複合企業であるサムスングループの日本法人、日本サムスンは自社商品を大学へ寄贈している。早稲田大学の国際コミュニティセンターへは、40インチの液晶モニター15台を贈り、留学生が母国の放送を見るのに使用されているという。また、新潟の国際大学へは、計324点総額3千万円相当の学習機材を寄付。液晶モニターやテレビ、DVDプレーヤーなど7品目が教室やPCルーム、学生寮で使用されている。

 また、通信販売を中心にはちみつやローヤルゼリーなどの販売を行う山田養蜂場では、1999年より、本人に代わり母校やゆかりのある学校へ本を贈る「みつばち文庫」を設立。小学校の図書不足が深刻化していることから、その問題解決のため自社でもできることをしたいという思いで寄贈を始め、これまでに延べ40,202校に対し、主に自然環境や食、命、国際理解などに関する書籍を472,941冊も贈っているという。

 自社が専門とする内容や、企業理念、方針に基づいて支援を行う民間企業。行政では実現できないようなリアルな情報や技術の提供ができるということは、教育の現場にとって大きなメリットとなることは確かだ。今後さらに、各企業が様々な形で、未来を担う子ども達の可能性を大きく広げる取組みを積極的に行っていくことが期待される。

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