米ヤフー、600人の人員削減:グーグルやフェースブックとの競争で苦戦

2010年12月15日 13:37

 米インターネット検索大手ヤフー(Yahoo)が従業員の4%に相当する600人を削減する。米メディアが14日報じた。AP通信によると、ここ3年でヤフーが業績改善のために大規模な人員削減を行うのは4回目。

 ヤフーは声明の中で「今回の人事は進行中の戦略の一環であり、収益の成長と利益の拡大に向けて最適の態勢を整えるため」と述べている。

 米調査会社コムスコアによると、10月の米検索エンジン市場でのシェアはグーグルが66.3%、ヤフーが16.5%と、グーグルに大きく水をあけられている。昨年には、自社での検索エンジン開発を断念し、マイクロソフトのビング(Bing)を採用することを決めた。AP通信によると、収益の規模でも、グーグルの1-9月の売上高は前年比23%増の約210億ドルに拡大したのに対し、同時期のヤフーの売上高は48億ドルにとどまっている。

 昨年までヤフーがシェアトップだったディスプレイ広告市場でも、同社のキャロル・バーツ最高経営責任者(CEO)がグーグルを上回るライバルとして指摘するフェースブックに差を広げられつつある。

 コムスコアの調査によると、今年の1-3月期にはフェースブックが初めてインプレッションのシェアでヤフーを超え、7-9月期にはその差が拡大した。1-3月期のフェースブックの総広告インプレッションは1,763億回でシェアが16.2%、ヤフーは1,315億回でシェア12.1%。7-9月期にはフェースブックのインプレッションが2,970億回でシェア23.1%と急拡大しているが、ヤフーのインプレッションは微増の1,409億回でシェアは11.0%に後退している。

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