金星探査機「あかつき」、離れていく金星を撮影

2010年12月10日 14:15

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月10日、日本初の金星探査機「あかつき」(PLANET-C)によって撮影された金星の画像を公開した。

 公開された画像は3種類。「あかつき」の中間赤外カメラ(LIR)、紫外線イメージャ(UVI)、1μmカメラ(IR1)によってそれぞれ撮影されたもの。撮影時刻は日本時間12月9日9時頃で、「あかつき」の金星周回軌道投入失敗が判明した後に撮影を実施したという。

 撮影時の「あかつき」と金星の距離は約60万kmで、夜側から撮影したため、赤外線と紫外線で捉えた金星はまるで三日月のように見える。

 「あかつき」は日本時間12月7日8時49分に金星周回軌道投入マヌーバ(VOI-1)を実施したが、軌道制御エンジンによる噴射が足りず、十分な減速ができず、金星周回軌道の投入に失敗した。JAXAは現在、調査・対策チームを新たに設置し、失敗原因とその対策を調査すると共に、「あかつき」が再び金星に接近する6年後に向けて、金星周回軌道の投入計画の見直しを行っている。

 ■「あかつき」搭載カメラで金星を撮影
http://www.isas.jaxa.jp/j/topics/topics/2010/1210.shtml

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