血液型に関する都市伝説のウソ、ホント

2010年12月6日 11:00

 「あなた何型?」。はじめまして、の挨拶と同様、初対面に人を相手に質問する事がらとして星座とともに多いのが血液型かもしれない。「私はA型だからO型と相性がいい」。信ぴょう性はともかく、日本人は相関関係や占いなどが好きな人種なので、こんな会話をする人が実に多いのも事実だ。

 実際、血液型とは医学的に言うと血液内の血球の持つ抗原抗の違いをもとに決めた血液の分類を示す。現在、日本人の血液型発現率はA型が約40%、B型が約20%、O型が約30%、AB型が約10%。この血液型によって性格が異なり、また相性もあると唱えるABO式血液型性格分類が、日本をはじめアジア諸国の一部では浸透している。

 現在まで、医学者や心理学者、教育学者により、学説の候補として血液型と性格の関連付けを巡り学会で幾度となく議論となったものの、科学的根拠はなく成立されていない。血液型と性格との間に特殊な関連を設定した統計的な検証も行われてはいるが裏付けるようなデータは得られていないのが現状だ。

 しかし、日本をはじめアジア諸国の一部では、血液型と性格との関連づけを好意的に考えている傾向にある。欧米諸国ではそのような血液型性格分類は支持されていないが、日本では血液型による気質や体質などを考える本が多数出版されていることから、信じる人も多く様々な説が増えていった。

 例えばA型の人は几帳面、B型の人はマイペース、O型の人は大らか、AB型の人は個性的など、簡潔に性格を示される場合もあれば、「O型は蚊に刺されやすい」「A型とB型の相性が良くない」「周囲を気にしないのでB型は寝つきが良い」など具体的な内容が唱えられていることも多い。

 そのような俗説のなか、A型は薄毛になる傾向が多いというウワサがある。そこで専門家である毛髪クリニック リーブ21が、顧客のなかで「薄毛・脱毛を気にされているお客様の血液型の割合」を調査したところ、A型が39%、B型が22%、O型が30%、AB型が9%という結果となったという。これは日本人の血液型発現率とほぼ同様な結果であることから、人口に対するその内分けが多いことが一番に挙げられるだろう。薄毛や抜け毛の原因の一つにストレスが考えられることから、A型の几帳面が故に神経が細やかな特徴を薄毛や抜け毛に結びつけたものと考察できる。

 血液型と性格の相関関係は、仲間同士の会話としては面白いが、それにより相手と付き合う前から偏見を持ったり、合うとか合わないという相性を最初から決めつけてしまったりすると何かと支障をきたすかもしれない。生まれ持った気質は千差万別、だからこそ、人間同士の結びつきは難しくもあり、面白いものなのだ。

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