ESO、系外惑星「スーパー・アース」の大気を初めて分析

2010年12月2日 11:45

 欧州南天天文台(ESO)は12月1日、スーパー・アースに分類される系外惑星の大気を初めて分析したと発表した。

 発表によると、へびつかい座方向、地球から約40光年離れている系外惑星「GJ 1214 b」の大気を詳細に分析した結果、水蒸気からなる厚い雲に覆われていることが分かったという。

 今回の研究成果について、チームリーダで、スミソニアン天体物理学センターの研究者であるヤコブ・ビーン氏(Jacob Bean)は「これはスーパー・アースの大気を分析した初めてのケースで、系外惑星の特徴を分析するための重要な出来事に辿り着きました」と述べた。

 「GJ 1214 b」は2009年12月に発見された系外惑星。半径は地球の約2.5倍、質量は地球の約6.5倍で、巨大地球型惑星のスーパー・アースに分類される。今回の分析について、天文学者らは「GJ 1214 b」に水が存在している可能性があり、太陽系の海王星に似ているかもしれないことを指摘している。

 また、生命の存在について、天文学者らは「GJ 1214 b」は熱すぎて、水が液体として存在できないため、期待できないとしている。

 なお、今回の観測はチリにあるESOのVLT(Very Large Telescope)に搭載された観測機器「FORS」によって行われた。

 ■First Super-Earth Atmosphere Analysed
http://www.eso.org/public/news/eso1047/

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