カッシーニ、衛星レアから酸素を含む大気を発見

2010年11月30日 17:15

 米航空宇宙局(NASA)は11月26日、カッシーニ土星探査機の観測データを分析した結果、土星の衛星であるレア(Rhea)から、酸素と二酸化炭素を含む大気を発見したと発表した。地球外探査で酸素を含む大気が直接発見されたのは今回が初めて。

 発表によると、カッシーニ土星探査機が今年3月にレアに接近し、観測を行った。これまでの観測結果を加えて分析した結果、レアに酸素及び二酸化炭素を含むごく薄い大気が存在することを特定したという。

 レアの大気は土星の磁気圏からの放射線がレアの表面の氷と衝突して生成されており、これは木星の衛星エウロパやガニメデと同じメカニズムだと考えられている。

 今回の結果について、カッシーニの科学者であるベン・テオリス氏(Ben Teolis)は「この新しい結果は、複雑な化学構造を持つ酸素が、宇宙や太陽系の至る処に存在しているかもしれないことを示唆しています」と述べている。

 また、生命の存在の可能性について、ベン氏は「酸素は生命にとって必要不可欠なものですが、レアはあまりにも温度が低く、生命に必要な液体の水が欠けています」とコメントしている。

 写真=NASA。

 ■Thin Air - Cassini Finds Ethereal Atmosphere at Rhea
http://www.nasa.gov/mission_pages/cassini/whycassini/cassini20101126.html

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