理研、温室効果ガスを発生させる酵素の立体構造を解明
2010年11月28日 12:58
masakun 曰く、
二酸化炭素(CO2)より約300倍強力な温室効果ガス「亜酸化窒素」を発生させる酵素の立体構造を世界で初めて解明したと、理研が発表した(理研プレスリリース)。
まだ地球大気に酸素が存在しなかった時の微生物は、窒素や硫黄の酸化物を使って呼吸を行っていた。それらの生物は土壌や人体に寄生する病原菌という形で今もなお存在し、硝酸イオン(NO3- )や亜硝酸イオン(NO2- )を窒素ガス(N2)まで還元する硝酸呼吸により生体エネルギーを得ている。この過程を「脱窒」と呼び、地表面で脱窒を行なう細菌は落雷などで地表にある窒素原子を大気に還元する上で重要な役割を担っている。さて脱窒過程で有毒の一酸化窒素(NO)ができるが、細菌は速やかに無毒な亜酸化窒素に変換している。今回理研が解明したのは、この変換を担う「一酸化窒素還元酵素」(NOR)の立体構造です。
この酵素の解明により、地表の微生物が作り出す温室効果ガスの排出量を抑えるにはどうすればよいか、また院内感染を防ぐ新たな抗菌剤の開発の手がかりになるとのこと。
スラッシュドットのコメントを読む | バイオテック