喜多方ラーメンは商標として認められないとの判断

2010年11月17日 11:30

  parsley 曰く

 喜多方市のラーメン店 40 店余りでつくる協同組合「蔵のまち喜多方老麺会」が、名称「喜多方ラーメン」を地域団体商標に登録申請したのに認めなかった特許庁審決を不当とした訴えに対し、知財高裁は 15 日、地元以外でもすでに長期間名称が使われているとして請求を棄却した (47NEWS の記事MSN 産経ニュースの記事より) 。

 例えば「札幌ラーメン」のように [地域名] + [商品名] の組み合わせからなる商標は商標登録を受けることができなかったが、4 年前に地域団体商標制度がスタートして、いわゆるご当地モノも商標登録することができるようになった。現在 463 件が認められている。しかし有名になりすぎて一般名称化していると、特定団体に対して商標権を認めてしまうことで他の人の商売に支障がでる可能性があり、先ほど例に挙げた「札幌ラーメン」もそうだが「讃岐うどん」なども地域団体商標制度による登録は難しいと見られている。今回の請求棄却は地域団体商標制度導入後、登録を認めなかった審決の是非が争われた初の司法判断となる。

 知財高裁は「原告の組合に加入しているのは市内のラーメン店の半数に満たず、非加盟店でも『喜多方ラーメン』の文字を含む商標の登録を受け、県内外で相当長期間にわたって使っている実態がある」点と「原告の組合や加盟店が『喜多方ラーメン』の名称を使い、喜多方市内でラーメンの提供や広告宣伝を積極的に行っていたとしても、名称が原告の組合とその加盟店だけの商品・サービスとして広く認識されているとはいえない」として特許庁の審決を妥当とした。

 喜多方市の協同組合の代理人は「有名になりすぎると条件が厳しくなるのは制度の趣旨に反する」と反発しているという。一方で、名称に変化を与えることで認められる可能性もあるといい、高松市のうどん製造販売業者のように「本場さぬきうどん」の名称で登録することができないか模索している例もあるとのこと。

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