宇宙飛行士の骨密度低下を防ぐ宇宙服

2010年11月7日 10:02

  eggy 曰く、

 マサチューセッツ工科大学のMan-Vehicle Laboratoryでは、無重力間でも人体に重力がかかるような効果がえられる新型宇宙服、「Gravity Loading Countermeasure Skinsuit」の研究開発を行っているそうだ(/.本家Popular Science)。見た目、ピッタリで透け透け、着るのもちょっと恥かしいような宇宙服だが、宇宙飛行士の体を守るデザインが施されている。

宇宙飛行士らは、宇宙に滞在する一ヶ月ごとに、骨密度が1~2%低下する。また、NASAが2001年から2004年までに行った調査によれば、国際宇宙ステーションに滞在する一ヶ月ごとに、骨の内部組織が1.7%、外部骨盤組織が1.7%失われることが分かっているそうだ。もし国際宇宙ステーションで4~5ヶ月の任務を命じられれば、更なる骨密度の低下はまぬがれなく、また何年もかかるかも分からない火星に派遣されることとなれば、骨密度の激しい低下のため、火星到着後の任務中に骨折する可能性も否めない。

今回の宇宙服だが、小さすぎると思われるスキンスーツを引っ張りながら装着するため、肩から足元にかけて引っ張れ、また腹部より足元の方がよく伸びるため、無重力状態でも、足元により重力がかかる地球にいるときのような効果が得られるとのこと。だが試験したところ、腹部と太ももにかかる重力効果は良い結果が得られたものの、足元の効果が十分に得られず、デザインの更なる改良が求められるとのことである。

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